健康

【薬剤師監修】AGAは早期治療がカギ!フィンペシアを飲んでみた結果

今回は、AGA(男性型脱毛症)の治療薬である【フィンペシア】について実際に飲んでみて体験した効果・副作用について、どこで購入したのかなどを解説していきます。この記事を読むことで、AGAに悩んでいる方が一歩を踏み出すきっかけになればと思います。




AGAとは

AGAとは(Androgenetic Alopecia)の略であり、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。

基本的に男性に見られる脱毛症であり、早い人では20代から出始め、髪が細くなったり、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなるのが特徴です。(俗にいうハゲですね)

別の疾患で薬物治療をしている方で、薬の副作用で毛髪が薄くなったりする人はAGAには含まれません。

特別な皮膚疾患や抜け毛を促進するような薬剤(抗がん剤、ステロイド、免疫抑制剤など)を使用している場合を除き、ほかの要因が考えられないものがAGAとなります。

日本人男性の3人に1人はAGAだと言われており、薄毛に悩む男性も少なくありません。

【AGAセルフチェック】

  • ・シャンプーをした後に抜ける髪の毛が以前よりも多くなってきている
  • ・髪の毛が細くなり、頭皮が目立つような気がする
  • ・朝起きた時の枕に付く毛髪の量が多くなってきた(気がする)
  • ・頭頂部・生え際の毛が少なくなったような気がする

【AGAタイプ分類】

AGAには3種類のタイプがあります。タイプによって治療法が異なるわけではないので、あくまで参考までに自分がどのタイプの可能性があるのかを確認してみてください。

・O字タイプ   主に頭頂部から薄毛が進行するタイプ

・M字タイプ   主に額の生え際から進行するタイプ 

・U字タイプ   主に前頭部から進行するタイプ

原因

AGAの病態には男性ホルモン(テストステロン)が大きく関わっています。

本来、男性ホルモンは体毛、ひげ、胸毛などを始めとした毛を濃くするように働きます。

ですが、前頭部や頭頂部においては、毛包に働きかけて軟毛化現象を引き起こすとされています。

軟毛化とは読んで字のごとく毛が軟らかくなることです。

毛が軟らかくなることで細くてか弱い毛となり抜けやすくなります。

また、テストステロンは毛乳頭細胞に運ばれると5ーα還元酵素(レダクターゼ)と呼ばれる酵素によって強化され、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるより活性の高い形へと進化します。

DHTは厄介なことに、髭に対しては成長を促すのに、毛髪付近では細胞増殖を抑制する因子であるTGF-βやDKK1と呼ばれるものを増やすことで、毛母細胞の成長を阻害して脱毛を促してしまいます。

よく、筋トレしている人やボディビルダーに薄毛が多いと言いますよね?

あれは、筋トレをすることで大量に分泌されたテストステロンが酵素によってDHTに変換されることで薄毛を促進しているからだと考えらえます。

男性ホルモンとは男性の筋肉や骨格筋を形作ったり、活力を生み出したりと重要な働きをしているのですが、なぜか毛髪に対してはある時期を境にアンチに化けてしまうというわけです。

男性ホルモンをゼロにするわけにはいきませんし、そんなこともできませんので、AGAの治療の標的は活性化されたDHTとなります。




治療法

原因の項で述べましたが、AGAの主たる原因はジヒドロテストステロン(DHT)です。

であれば、これができないように薬でブロックすればいいのでは?ということが考え付きます。

AGAの基本的な治療はDHTを作らせないようにする治療であり、変換酵素である5ーα還元酵素を阻害する薬剤が用いられます。

日本国内で承認されているのは2種類のみで「プロペシア®」と「ザガーロ®」のみです。(それぞれジェネリックあり)

プロペシア® 5ーα還元酵素Ⅱ型を阻害することでAGAの進行を抑制する

成分:フィナステリド

ザガーロ®  5ーα還元酵素Ⅰ型Ⅱ型を阻害することでAGAに使用

成分:デュタステリド

作用機序はほぼ同じですが、阻害する酵素の型がザガーロ®の方が多いです。適応の文言も微妙に異なっており、ザガーロ®には進行抑制の記載はありません。

両剤とも、前立せん肥大症という病気に保険適応がある薬(AGAとは投与量が異なる)であり、実際にこの疾患の治療で内服されている方は大勢います。

そのため、副作用や安全性に関する情報は十分に蓄積しており、比較的安全性が高い薬です。

両剤ともジェネリック医薬品が発売されており、販売価格自体は安くなってきていると思いますが、AGA治療は保険適応外であり、クリニックの言い値で薬が処方されるため、安く治療したい場合はカウンセリングなどの時に薬価を確認しておくことをお勧めします。

日本皮膚科学会ガイドラインより引用

上記図では、フィナステリドおよびデュタステリドの推奨度はAと高く、多くの皮膚科医のコンセンサスが得られているようです。

また、CMなどで有名な「リアップ®」についても推奨度はAであり、効果のエビデンスはある程度あるようです。(CQ3.ミノキシジルの外用は有用か?)

リアップ®(ミノキシジル)については、元々高血圧の薬として開発されていましたが、血管を拡張して血圧を下げる作用を確認している時に、頭皮の血管を広げて血流を良くし、発毛を促進する効果を見出したことから抜け毛治療薬として広まったと言われています。

発毛が促進されるメカニズムは血流だけではないようですが、正確なメカニズムは明らかになっていません。

↓古いデータですが、ミノキシジルの作用機序の推測に関するものがありましたので載せておきます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/119/3/119_3_167/_pdf

ミノキシジルは基本的に外用(塗布)で使用しますが、内服薬が海外で製造販売されており、処方しているクリニックもあるようです。

ガイドラインでは推奨度Dであり、「推奨しない」の評価ですが、発毛効果が高いようで、医師が海外から輸入したものを処方しているようです。(法的にはセーフ)

リアップ®については女性の脱毛症にも効果が認められており、フィナステリドやデュタステリドとは異なる特徴があります。

男性用↓

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女性用↓

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リアップは第一類医薬品と呼ばれ、薬剤師からしか購入できません。

ドラックストアなどで購入される際は薬剤師に相談してください。

また、ネットでも購入できますが、販売元の担当薬剤師からの情報提供を受ける必要があるので、説明に従って購入してください。

ほかのCQについても興味深い内容ですが、ほとんどが保険適応外であるので、普通の皮膚科などにかかっても処方してもらうことはできないでしょう。

カルプロニウムについては唯一の保険適応薬ですが、専門医の推奨度はC1で使ってもいいという評価でした。劇的な効果は見込めないというのが本音でしょう。

私もカルプロニウムを使用している患者さんを見たことがありますが、思ったより効いている印象でした。(その方は薬の副作用で脱毛症を呈していた方ですが)

どの治療においても通常は美容クリニックを受診しないと行うことができません。

唯一リアップ®は個人で購入出来て効果が認められている商品であるので、最初に試してみるハードルはかなり低いかもしれません。




フィンペシア

アイドラッグストアHPより引用

皆さんはフィンペシアという薬を聞いたことがありますか?

これは国内未承認のフィナステリド含有薬剤です。

海外で製造されており、日本国内で販売されています。(輸入販売業者を介して)

日本国内のAGAクリニックではプロペシア®やザガーロ®、それぞれのジェネリック医薬品が処方されるケースがほとんどです。

さすがにクリニックが表立って国内未承認の薬は処方できないですからね

フィンペシアはインドの製薬会社であるシプラ社(インド国内第2位)が製造販売している薬剤です。

シプラ社の薬剤は世界中で使用されており、特に発展途上国のHIV治療の薬剤を製造販売しているようです。

私は大学生の頃、抜け毛に悩んでる時期があり、海外から輸入できるサイトで購入して半年ほど内服していました。

大学5年生時の価格で半年分で約4000円程度だったと思います。

現在の価格は5カ月で4580円でした。(2023年6月時点)

ひと月当たり916円と1000円弱で購入できるので、20代のお金がない人でも購入のハードルは低そうですね。

ちなみにAGAクリニックでは薬価をクリニックが設定しますので、いくらで卸から仕入れているかはわかりませんが、治療を受ける際はクリニックの言い値で処方(購入)することになります。

いくつかのクリニックの公式HPで調べてみたところ、かなりクリニックによって差があるようです。

ミノキシジルを使う「発毛」とフィナステリドなどを使う「維持」で料金も異なるようで、価格の差のほとんどは薬価の設定、人件費の違いなどだと思われます。

わかりやすい比較サイトがあったのでリンクを載せておきます

https://www.uktsc.com/thestyledictionary/aga-clinic-tokyo#heading3

【副作用】

成分は同じですので、基本的にプロペシア®に記載されているものと大きく異なることはないと考えます。

海外で製造されているので、添加物などによる影響は多少考えられますが、そもそもそんなやばい添加物を使っていた場合薬として国際的に販売できないので、ほとんどプロペシア®またはジェネリックのフィナステリドと同等と考えてよいでしょう。

代表的なものは以下の通り【プロペシア®の添付文書より引用】

最も多いのが男性機能の低下です「勃起不全、性欲減退、精液の質低下」

活性型男性ホルモンを減らす薬ですので当然と言えば当然です。

DHTは毛髪にとっては悪者扱いされていますが、ほかの部分については男性ホルモンの強化版ですので、男性にとっては重要な物質です。

ある意味等価交換とも言えますね。

髪を得る代わりに男性力が減退する。

両方を得るのは難しい問題です。いい塩梅で保てればいいのですが・・・

他には頻度としては低いですが、抑うつや肝機能障害がみられる場合があります。

元々肝臓が悪い方には使用できません。

【効果発現】

フィナステリドの効果がみられるまでは早い人で3か月ですが、多くの方は少なくとも6ヶ月程度は要します。(ミノキシジルを併用しているかによっても変わります。)

初期脱毛といって、毛母細胞の成長サイクルが正常化する時に一時的に抜け毛が増える現象が起こる場合があります。この期間に焦って辞めてしまう人もいるようです。

ちなみにAGA治療は永遠に続きます。

もういいやと自分が思うところまでは飲み続けることになるので、クリニックにしても輸入にしても掛かるコストは考えておいた方が良いでしょう。

どこで購入できる?

オンラインストアで購入することができます。

有名なのは【アイドラッグストア】でしょうか。

私が大学生の時に購入したのもこの業者でした。

アイドラッグストアはインドからフィンペシアを輸入して販売する業者です。

ほかにも様々な薬品、サプリメントを販売しています。

アイドラッグストアリンク

https://www.idrugstore.jp/product/318567

他にも「フィンペシア 購入 オンライン」 などで検索すれば取扱業者がたくさん出てくるでしょう。

実際飲んだ結果と注意点

私は大学5年生の時に、実務実習のストレスから抜け毛が増えました。

朝起きると枕元にたくさんの抜け毛がついており、母からも心配されていました。

父、父方の祖父も薄毛であり、その素因は十分にあると覚悟はしていましたが、まだ23歳なのにまさか・・・という絶望感に苛まれていました。

元々おでこは広かったのですが、当時はさらに広くなったように見えていました。

そんな時に大学の勉強でならったフィナステリドが頭をよぎりました。

国内でフィナステリドを使用するためには美容クリニックに通う必要があり、当時の私にはそんな財力はなく、羞恥心などもありクリニックに行くという選択肢はありませんでした。

薬学生という中途半端に薬の知識がある状態でしたので、自分で調べてアイドラッグストアを見つけました。

母に相談して、クレジットカードの登録をしてもらい、母に薬代を渡していざ購入してみました。

比較的すぐに届きましたが、驚いたのは外箱、添付文書すべてが英語だったことです。(当たり前ですが)

まあ薬学にはカタカナ英語が多く出てくるので、添付文書は何となく読解できました。

ざっと読んだ感じ、日本のプロペシア®と書いてあることがほとんど同じでした。

私は内服を始め、数カ月自分の体で実験をしてみようと考えました。

飲んで3か月たったあたりから心なしか抜け毛が減ってきました。(実務実習も終わっていました)

飲んで半年後、自分のおでこの生え際を見てみたところ、飲み始める前とほとんど変化はありませんでした。

正直、これが効果があったか判定することはできませんでした。

実際に半年飲んだ後は内服をやめていましたが、生え際は特に変化がありませんでした。

ですが、副作用については確かな実感がありました。

顕著だったのがやはり性欲減退です。

私は元々性欲が強い方ではありませんが、それがさらに弱まりました。

性欲の減退は精液の質低下にもつながるため、最悪の場合無精子症などにもなる可能性があると考え半年で飲むのを止めました。

身をもって体験したので、フィンペシアにはフィナステリドが入っていることが証明できたような気がします。

今思えば、ストレスからくる一過性の抜け毛だったと思いますが、当時は冷静な判断ができていなかったと思います。

ストレスによる抜け毛にはいくら男性ホルモンを抑えても意味がありません。

現に、30歳の今もふさふさで維持できていますから、当時の私はAGAではなかったということも身をもって証明しました。

【注意点】

フィンペシアには最も注意しなければならない重要なことがあります。

それは国内未承認だということです。

国内で承認されている薬剤においては、仮に重篤な副作用が出たとしても、副作用被害救済制度というもので治療することができます。

ですが、フィンペシアにはこれは適応されません。

超稀にしか起こらないけど、起こったらやばい副作用というのも存在します。

それを自分が引き当てない保証はありません。

つまり、フィンペシアを飲んで副作用が出た場合はすべてにおいて自己責任だということです。

まあ、何らかの体調不良で病院に入院して、薬剤性ということが分かれば保険の範囲内で治療することはできますが、すべての医師がフィンペシアなどの特殊な薬に精通しているわけではないことは覚えておきましょう。

【おすすめはできる?】

正直、薬剤師の立場からは表立ってお勧めはできません

国内未承認の医薬品を勧めるというのは、本来薬剤師のやるべきことではありません。

ほぼすべてのクリニックで輸入品の自己内服はおすすめしないと記載されています。(当たり前ですが)

ですが、金銭的余裕がない状態でAGAを発症した場合に、すべてが保険適応外のクリニックで治療をするのは厳しいと思います。

クリニックは既得権益感があるのも事実です。彼らのビジネスにとっては輸入品のフィナステリドなど邪悪な存在ですからね。

すべてを自己責任と受け入れ、副作用のリスクを承知して用法通り使う場合は使用することを咎めることはできないかなと個人的には思います。

そもそも、ミノキシジルの錠剤(内服)については医師が輸入しているものを販売しているので・・・

私のスタンスはこんなところでしょうか・・・察してもらえると助かります。

お金と時間に余力のある方は、安いくて評判の良いクリニックを見つけて通うことをお勧めします。

AGA治療はなるべく早く始めることが重要です。ある程度進行した状態からふさふさにするのは極めて厳しいと考えた方が良いでしょう。

あれ?最近ちょっと怪しい?くらいの時に受診してみるのが良いと考えます。

余程悪徳なクリニックでなければ、AGAじゃないのに治療をゴリ押してくることはないでしょう。




まとめ

AGAはセンシティブなテーマであるので、恥ずかしくてクリニックに行けない人なども一定数おられるかもしれません。

そんなテーマですが、自分が抜け毛に悩み、輸入までして試したフィンペシアの使用感や注意点を薬剤師の観点から伝えたいと思ってこの記事を書きました。

ネットで調べると、美容クリニックの記事がわんさか出てきており、それらは基本いいことしか書いていませんので、副作用や注意点についてもしっかりお伝え出来たなら幸いです。

ABOUT ME
hiropon
初めまして。ヒロポンです。 私は大学病院で薬剤師をしています。 医療や健康についての情報発信をしたいと思いブログを始めました。 定期的に皆さんの健康に寄与する記事を更新しますので、よろしくお願いします。