こんにちは。今回は何部かに分けて、私が経験してきた薬学部というのがどんなところなのかをお話ししていこうと思います。
今回は1年生編です。それでは見ていきましょう。
①薬剤師とは
医師が作成した処方箋に基づいて、医薬品を調剤、また供給することができる。近年では、コ・メディカルの提唱によって、チーム医療の導入が重要視されており、薬剤師もファーマシューティカルケアの概念から業務を行っている。薬剤師は一般用医薬品、要指導医薬品、医療用医薬品の全てを販売又は調剤できる薬のスペシャリストであり、セルフメディケーションとしての医薬品と処方箋による医薬品の両方を扱えるのは薬剤師のみである。また、薬剤師は医師の出す処方箋に唯一異議を唱えることができる職種である。 引用元:ウィキペディアHP
世間的なイメージは薬局で処方箋渡したら薬出してくる人、なんか薬の話してくる人、薬を棚からとって袋詰めしてる人などでしょうか。
医療関係者ではない知り合いと話したり、インターネットで検索してみるとこのようなイメージを持たれていることが何となくわかりました。
実際に患者さんからは目に見えて何かしてもらっている実感がない仕事なので、このようなイメージなのもうなずけます。
法律上、医師は調剤をすることができませんので、原則、自分が処方した薬が患者にとって適切であるかは別の視点からチェックされることになります。その仕事を生業としているのが薬剤師というわけです。
薬剤師は医師がどのように思考してこの処方をしてきたのかを考え、納得できない場合は医師へなぜこの処方になったのか、その理由を聞かなければなりません。
「よくわからんけど医師が処方してるから適当に集めて袋に入れとけばいいっしょ」では済まされません。医師も日々多くの意思決定を要されますので、間違った判断をしたり、タイピングミス一つでも薬の量が変わってしまうことがあります。それを正し、医師・薬剤師両者が処方内容に納得した上で患者さんに薬が渡されます。
②資格取得について
現在、日本で薬剤師免許を取得するには、国に認められた薬学部を有する大学に6年間通い、厚生労働省が作成している薬剤師国家試験に合格する必要があります。
6年は長いですよね。昔は4年生でしたが、医・歯・獣医と揃えるように6年生へと変化しました。
名目上は医療の高度化に伴いなんて言われてますけど何か裏で動きがあったのでしょうか?(笑)
薬剤師国家試験の科目は9科目であり、化学、物理、生物、衛生、薬理、薬剤、病態、法規、実務によって構成されています。
試験は必須、理論、実践の三部構成であり、科目ごとに点数による足切りがあります。
つまり、苦手科目を捨てて諦めることができないということです。
合格点は225点以上で、問題数は345問です。
以前は絶対評価で、225点以下は問答無用で不合格でしたが、近年では相対評価へと変わってきており、225点以上は当然合格ですが、試験難易度が高く平均点が低くなってしまった場合は225点取っていなくても合格になることが出てきました。
厚労省から明確な基準は示されてはいませんが、225点取れていなかったからといって諦めなくてもよくなりました。(まあ200点未満とかは論外ですが・・・)
試験は2日間かけて行われ、1日目に必須、一般。2日目に実践の試験が実施されます。
合格率は60-70%で、国家試験浪人をしている人も数多く存在します。
そもそもの大学のレベルにもよりますが、現役ストレート合格率は60%を切る大学も少なくありません。(データは厚労省より公表されています。)
③薬学部での生活
1年生はいわゆる一般教養を普通の大学同様に学びます。
理系科目だけでなく、経済学など文系科目もあり、必要数の単位を取得していきます。
大学生活の忙しさとしてはそれほどではなく、サークル活動、アルバイトをする学生も多いです。
薬学科目は数科目始まる程度で、それも極めて基礎的なものとなります。
1年目で留年する人はほとんどいません。1年生の後期から少しずつ実験(実習)が始まり、基礎的な有機化学、物理化学の実験をします。
その合間に教養単位を取得する流れです。
ただし、薬学を修めるために必要な教養も存在しており、化学、生物、哲学、倫理学、心理学などは避けることはできません。
総じて、1年生は一般的な大学生より少し忙しい程度で、勉強の難易度もそこまで高くはありません。
普通に講義を受けて、テスト前に勉強すれば単位の取得も問題ないでしょう。
ただし、アルバイトに明け暮れたり、遊ぶことに熱中しすぎると再試験や再履修という厳しいルートを辿ることになるため、油断はできないといったところです。
ちなみに私は単位を一つ落としました。週20時間のアルバイトに明け暮れた結果です。
私は高校3年の冬からドラッグストアでアルバイトを始めたのですが、どうしてもお金が欲しかったというよりは、人が足りずにお店のために出勤していたところがあります。
また、時給アップを目的に登録販売者という資格を取ろうとしており、その時は受験資格が厳しく、フリーター並みに働かないと条件を達成できなかったこともあり、大学の4限が終わったら直接バイト先に向かい、17時から24時まで働くみたいな働き方をしていました。
ただでさえ、講義中に寝てしまう私なのにこんなことしていたら勉強に注力できるわけがありません。
私は反省し、大学3年の冬頃にアルバイトを辞めました。
そのころには100万円ほど貯金できていたので、残りの学生生活での遊ぶお金などは十分確保できていました。
その後は1つ単位を落としましたが次年度に取得しました。
そうこうして無事に卒業したわけですが、アルバイトはほどほどにした方がいいということをあの頃の自分に強く言ってやりたいです。
私は実家から通っていたのですが、下宿して貧乏学生をしている友達もいて、そういう人は生活費の工面も必要でかなり大変そうでした。
まとめ
というわけで、薬学部1年生の生活はこんな感じです。いかがだったでしょうか?
ほかの大学を知らないのでなんとも言えませんが、遊ぶ時間は十分にあり、そこまで忙しいという感じはありませんでした。
今はサークルに入っておけばよかったなと後悔していますが、馬車馬のように働いた結果、今の自分が形作られているのえあればやぶさかではないのかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。