― 現役不合格になる人に共通する“危険サイン” ―
薬剤師国家試験は、
「それなりに勉強していれば受かる試験」
ではありません。
実際には毎年、
- それなりに努力してきた学生
- 真面目に講義を受けてきた学生
が、一定数、不合格になります。
その差を分けるのは、
才能やセンスではなく「学業面での立ち位置と勉強の質」です。
この記事では、
薬剤師国家試験に落ちる人に共通する【学業面の特徴】を、
できるだけ客観的・現実的に整理します。
👉生活面はこちら「薬剤師国家試験に落ちる人の8つの特徴【生活面】」
目次
① 基礎科目(物理・化学・生物)を軽視している
落ちる人に非常に多いのが、
「国試は暗記だから基礎は後回し」
という考え方です。
なぜ危険なのか
薬剤師国家試験では、
- 薬理
- 薬剤
- 病態・治療
といった分野でも、
基礎科目の理解が前提になっています。
基礎が弱い人は、
- 応用問題に対応できない
- 問題文が長くなると崩れる
- 似た選択肢を切り分けられない
という状態になりやすく、
安定して点が取れません。
実践問題にも基礎科目とセットになった問題が必ず出題されます。
実践問題は重要な得点源になりますので、ここでしっかり得点を伸ばすためにも基礎科目の習熟はしておくべきでしょう。
② 学年テストの順位|中位より下は要注意
6年生で実施される
学年テスト・統一試験の順位は、
かなり現実的な指標です。
危険サイン
- 学年 下位3〜4割 に常にいる
- 再試・追試を ギリギリで回避 している
- 「国試とは関係ない」と軽視している
正直に言うと、
このゾーンからの現役不合格は珍しくありません。
学年テストは
平均からの乖離を把握できる重要な意味を持つ試験です。
安心していいライン
- 学年の 真ん中〜上位
- 大崩れせず、毎回ある程度 安定した点数
- 苦手科目でも 最低限は拾えている
トップである必要はありません。
重要なのは
「落ちやすい位置にいないか」
という一点です。
薬剤師国家試験は受験者の平均値レベルを取れればほぼ確実に受かる試験です。
そのため、平均より上にいることが国家試験突破への自信に繋がります。
③ 卒業試験の点数|最重要ポイント
卒業試験(卒試)は、
その大学が「この学生を国試に送り出していいか」判断する試験です。
つまり卒試は、
国試との距離を最も正確に示す指標です。
危険サイン
- 合格ラインを ギリギリで突破
- 再試でなんとか通過
- 内容を振り返らず「終わったからOK」
卒試ギリギリ組は、
👉 国試でもギリギリになる可能性が高い
という現実があります。
安心していいライン
- 余裕をもって一発合格
- 「なぜそうなるか」を説明できる
卒試は
通過点ではなく、現状把握のテスト
だと考えるべきです。
ほとんどの薬科大学の卒試は国試より難しく設定されています。
そのため、卒試を余裕をもって一発合格した人が国試に落ちることはほとんどありません。
④ 青本の進捗|「何周したか」ではない
よくある質問ですが、
青本は周回数では判断できません。
危険サイン
- 1周目が 終わっていない
- マーカーだらけだが説明できない
- 問題を見て「見たことある」で止まる
これは
インプットした“気”になっているだけの状態です。
安心していいライン
- 主要科目は 2〜3周+問題演習
- 自分の言葉で説明できる項目が増えている
- 間違えた理由が明確
判断基準は
「読んだかではなく、得た情報をアウトプットできるか」です。
私自身、全教科最低1周は読破し、各教科の苦手な章に付箋をし、その章を何度も復習することでなるべく苦手を克服する方法で勉強しました。
得意な教科や章はすでに理解できていると判断し、1周で十分だったと思っています。
時間も体力も限られているので、周回することにこだわりすぎず、効率的に勉強を進めていくことが大切です。
余談:私の友人で青本1周し終わらずに国試に合格した人がいましたので、読破自体は必須でもなさそうです。
⑤ 過去問|「暗記」で止まっていないか
過去問は重要ですが、
丸暗記は最も危険な使い方です。
危険サイン
- 選択肢を見て反射的に答える
- 年度が変わると正答率が落ちる
- 正解理由を説明できない
この状態だと、
初見問題や応用問題で確実に崩れます。
安心していいライン
- 問題文を読んで 論理的に解ける
- 誤り選択肢の理由を説明できる
- 初見でも考えて点が取れる
特に近年の国試は
暗記力よりも思考力を求められます。
過去問5年分程度の暗記は基本中の基本ですが、暗記するだけでなく解説もしっかりと読み込むことで長期記憶に落とし込むことができます。
ただし、正答率20%未満の問題については真面目に取り合う必要はないと個人的には考えています。
正答率が著しく低い問題は国試の問題として難易度的に不適切・あるいは出題者の癖が強いものであり、ほとんどの学生が正解できない問題です。
国試では、不適切問題や解なしなどで全員正解となる問が毎年何問かは出てきますので、高難易度問題の正解を目指すことはコスパ・タイパが悪いです。
⑥ 苦手科目|放置していないか
落ちる人にほぼ共通する最大の要因です。
危険サイン
- 「捨て科目」と決めている
- 基礎用語が説明できない
- 模試で毎回足を引っ張る科目がある
苦手科目を放置すると、
合格ラインを安定して超えることができません。
それだけでなく科目ごとの足切りに引っかかるリスクも出てきます。
正しい対策
- 満点を狙わない
- 6〜7割を安定させる
- 教科書レベルまで戻る勇気を持つ
苦手を「消す」だけで、
合格確率は大きく上がります。
⑦ 得意科目|伸ばし切れているか
得意科目は、
合否を分ける“保険”です。
危険サイン
- 得意のつもりだが点が伸びない
- ケアレスミスが多い
- 本番で崩れやすい
理想的な状態
- 形式が変わっても対応できる
- 安定して8割以上
- 他科目の失点をカバーできる
得意科目を
「安心材料」で終わらせないことが重要です。
きっちり得点源にし、総得点の下支えをする強い味方として得意科目を鍛えていきましょう。
全体像|合格する人は「底上げ」をしている
現役合格する人の多くは、
- 特別に天才ではない
- 圧倒的な勉強時間でもない
- ただし 穴がない
という特徴があります。
一方で落ちる人は、
- 一部科目が壊滅している
- 勉強の偏りが激しい
- 「なんとかなる」と思っている
国試は“尖り”ではなく“安定性”を見る試験です。
私の経験上、相手に説明できるくらいの理解度がない人は残念ながら不合格になっている印象があります。
もちろんすべての問題を理解することは不可能ですが、それでも青本全体の7~8割のことはある程度説明できる状態で国試に臨むのが合格のカギだと思います。
最後に|今からできる最重要アクション
もしこの記事を読んで
一つでも「当てはまる」と感じたなら、
やるべきことは
勉強時間を増やすことではありません。
- 苦手科目を放置していないか
- 理解した“つもり”で進んでいないか
- 点数が安定する構造になっているか
- 平均点以上を安定して取れているか
を、冷静に点検することです。
薬剤師国家試験は、
正しく向き合い、正しく対策すれば十分に越えられる試験です。
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