「勉強嫌いでも薬剤師になれた」現役薬剤師が本音で語る、リアルな学力と進路の話
「うちの子の成績で薬剤師なんて無理かな…」と思っている保護者の方へ。中学で学年40〜60位・模試偏差値55、高校では全国模試の偏差値が40台前半まで落ちた筆者が、AO入試(総合型選抜)で薬学部に合格し、今は薬剤師として9年目を迎えています。
この記事では、そのリアルな体験と数字を包み隠さずお伝えしながら、薬学部に必要な学力・高校選びのポイントを解説します。
📋 この記事でわかること
- 現役薬剤師の中学・高校時代の成績(偏差値・順位)をリアルに公開
- 偏差値40台前半からAO入試で薬学部に合格した経緯
- 薬学部の入試難易度と「一般入試以外のルート」の実態
- 薬学部を目指す子どもの高校選びで保護者が知っておくべきこと
- 成績が心配な保護者へ伝えたいメッセージ
目次
筆者の中学時代の成績をリアル公開します
「薬剤師を目指せる成績の目安は?」という問いに答えるために、まず筆者自身の数字をそのまま出します。
(中学)
(中学)
(高校)
(高校)
💡 この数字を見てどう感じましたか?
「うちの子と同じくらい」「うちの子よりひどい」と感じた保護者の方も多いはず。この成績の持ち主が、今は薬剤師として働いています。数字だけで進路を諦めさせないでほしいというのが、この記事の出発点です。
授業中はひたすら睡眠・勉強が大嫌いだった
授業中はほぼ毎時間寝ていました。塾は小学6年生途中から通い始めましたが、中2で退塾し中3で再開するという中断も経験しています。高校は1年生の前半のみ通塾し、その後はやめました。
唯一真面目に聞いていたのが理科。「なぜそうなるのか」の理屈がわかる理科の授業だけは起きていました。この「理科への興味」が、後に薬学部という進路選択につながります。
高校時代:偏差値40台前半という現実
高校も地方の公立普通科へ進学。2年生から理系を選びましたが、成績は中学より悪化。1学年240人中160〜180位、全国模試の偏差値は40台前半まで落ちました。授業中の睡眠スタイルは変わらず、塾にも通っていませんでした。
このままでは受験できる大学がない
高校3年になって初めて現実を直視。偏差値40台では出願できる大学の選択肢が著しく限られ、「このままではどこにも行けない」という状況に。これが転機でした。
AO入試という突破口で薬学部に合格
得意科目から「勝てる入試」を逆算した
高3で初めて真剣に考えたのが「自分が比較的マシな科目で戦える入試はどれか」という問いでした。化学・生物・英語はほかに比べてまだ手がつけられる状態。この3科目で受験できて、公募制推薦が使える薬学部を探しました。
さらに、公募推薦の前にAO入試の機会があったため、試験慣れのつもりで受けてみたところ——まさかの合格。ペーパーテスト形式の一般入試を経験することなく、薬学部生になりました。センター試験は記念受験程度で受けましたが、本格的な一般入試は未経験です。
AO入試の時系列(筆者の合格ルート)
(総合型選抜)
← 筆者合格ルート
11月頃
1〜2月
📋 AO入試・推薦入試で主に見られること
- 志望動機:なぜ薬剤師を目指すのか、なぜその大学なのか
- 面接・小論文:自分の考えを論理的に言語化する力
- 基礎学力試験:大学によっては実施なし、または軽め
- 活動実績:委員会・部活・ボランティアなど(あれば加点材料)
🏆 ポイント:ペーパー試験が苦手でも道はある
AO・推薦入試は「なぜ薬剤師になりたいのか」という動機と熱意で勝負できる入試です。成績が振るわなくても、志望理由が明確であれば十分に合格のチャンスがあります。
薬学部に必要な学力の実態:「超難関」は一部だけ
薬学部は医学部・歯学部に次ぐ難易度とイメージされがちですが、実際には幅広いレベルの大学が存在します。
| 区分 | 偏差値目安 | 入試難易度 | AO・推薦 |
|---|---|---|---|
| 国公立(旧帝大系) | 65〜70以上 | 非常に難しい | ほぼなし |
| 国公立(地方) | 55〜65前後 | 難しい | 一部あり |
| 私立(上位) | 55〜65前後 | やや難しい | あり |
| 私立(中堅〜下位) | 40〜55前後 | 比較的広き門 | 多くあり |
私立薬学部は全国に約60校あり、偏差値40台から入学できる大学も存在します。ただし、重要なのは入口の難易度よりも入学後です。
入学後のほうが本番です
薬学部は6年制(一部4年制)。カリキュラムは医学部並みに濃く、実務実習・卒業試験・国家試験と難関が続きます。偏差値の低い大学では進級できず退学するケースも実際にあります。「入れればいい」ではなく「入った後も6年間頑張れるか」を親子で話し合うことが重要です。
特に大切にしたい科目
化学:薬学の最重要科目。有機・無機の基礎を積んでおくと入学後も有利です。
生物:薬の作用機序・人体への影響を理解するベースになります。
英語:薬学の論文・資料の多くは英語。長期的に必要不可欠なスキルです。
薬学部を目指す子の高校選び:3つのポイント
① 理系コースが選べる高校を選ぶ
薬学部受験に必要な化学・生物・数学は、理系コースでないと十分に履修できないことがあります。2年次以降に理系・文系に分かれる普通科であれば問題ありませんが、オープンスクールや進学説明会で授業内容を確認しておきましょう。
② AO・推薦入試への対応実績がある高校を確認する
志望動機書の書き方指導・面接練習・小論文添削など、総合型選抜に慣れた先生がいる高校は大きな強みです。個別相談会で「薬学部のAO・推薦に対応できますか?」と直接確認してみてください。
③ 偏差値より「子どもが伸びられる環境か」で選ぶ
進学校でなくても薬学部に進めます。筆者自身、特別な進学校ではない地方の公立高校から薬学部に進んでいます。クラスの雰囲気・進路指導の手厚さ・理系教員の質など、複合的に見て選ぶことをおすすめします。
🏆 高校選びの3つの軸
「理系コースがあるか」「AO・推薦の指導実績があるか」「子どもが伸びられる環境か」——この3点を軸に考えると、偏差値だけに引きずられない選択ができます。
保護者の方へ:してほしいこと・避けてほしいこと
してほしいこと
- 「なぜ薬剤師になりたいのか」を一緒に言語化する機会をつくる
- 得意科目・好きな科目を伸ばすことを応援する
- AO・推薦など一般入試以外の選択肢があることを伝える
- 入学後の費用・国家試験の現実を事前に共有する
避けてほしいこと
- 成績の数字だけで「薬学部は無理」と決めつける
- 偏差値の高い大学だけに価値があると思い込ませる
- 子ども本人の意思確認なしに進路を決める
- 「もっと勉強しろ」だけ言って具体的な方法を示さない
💡 成績が悪いことと、薬剤師になれないことはイコールではありません
入試の仕組みと子ども本人の強みを組み合わせることで、道は思った以上に開けることがあります。まずは「どんな入試があるか」を一緒に調べることから始めてみてください。
この記事を書いた人の経歴
「本当に薬剤師になれたのか?」という疑問に答えるため、筆者のキャリアを開示します。
🏆 偏差値40台前半でも、ここまでこれた
中学で偏差値55、高校で偏差値40台前半。授業中ずっと寝ていた筆者が、国家試験をストレートで合格し、都内大学病院に8年勤務し、現在は北海道で企業薬剤師として働いています。「成績=将来」ではないことを、この経歴が示していると思っています。
まとめ:成績よりも大切なこと
📋 この記事のポイント
- 中学の偏差値55・高校で40台前半でも薬学部に入学できた実例がある
- 薬学部にはAO入試・公募推薦があり、ペーパー試験以外のルートが存在する
- 私立薬学部は偏差値40台から入学可能。国家試験合格率も必ず確認を
- 高校選びは「理系コース」「推薦対応力」「子どもが伸びられる環境」の3軸で
- 大切なのは入試の成績より、薬剤師を目指す動機と入学後の覚悟
「勉強が大嫌いだった自分でも薬剤師になれた」という事実は変わりません。ただし入学後は国家試験という現実的なゴールがあります。「薬が好き」「人の役に立ちたい」という気持ちがあれば、それがエンジンになります。成績だけを見て可能性を閉じないでください。
※本記事は筆者の個人的な体験に基づく情報を含みます。入試制度・偏差値は年度・大学によって異なります。進路選択の際は最新の公式情報および学校の進路指導担当にご相談ください。

