薬学部

薬学部5年生の実習、ぶっちゃけどう?病院・薬局の実態まとめ

薬学部5年生になると、いよいよ始まる長期実務実習。約2.5ヶ月×2クール(病院・薬局)、合計で約半年近くにわたる実習生活は、薬学部6年間のなかでも最大のヤマ場のひとつです。

「具体的に何をするの?」「きつい?」「国試勉強との兼ね合いは?」——そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、元病院薬剤師・元実習生である私が、病院実習と薬局実習の両方について、リアルな体験談を交えながら解説します。薬学部5年生の学生さん本人はもちろん、親御さんにも「わが子が何を経験しているのか」をイメージしてもらえる内容になっています。




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ひろぽん|薬剤師(元病院薬剤師・現DI担当)

大学病院を含む病院薬剤師として勤務後、現在は医薬品情報(DI)業務に従事。薬学部5年生の実務実習を経験しており、現在は実習生の指導も担当。リアルな「指導する側・される側」両方の視点をもとに発信中。

📋 この記事でわかること

  • 薬学部5年生の長期実務実習の全体像(スケジュール・実習先の決まり方)
  • 病院実習でやること・学べること・正直きついところ
  • 薬局実習でやること・病院との具体的な違い
  • 実習先からスカウトされる?知っておきたい裏事情
  • 指導薬剤師から「やる気がある」と思われるための心構え

薬学部5年生の実習とは?まず全体像をざっくり把握しよう

薬学部5年生で行われる「長期実務実習」は、病院と薬局のそれぞれで約11週間(約2.5ヶ月)ずつ行われます。月曜日から金曜日、基本的に9時〜17時のフルタイム勤務。学生なのに、ほぼ社会人と同じスケジュールで働きます。

そして、お金は一切もらえません(無給)。

正直、始まってすぐの数週間は「毎朝早起きして出勤……社会人ってこんなにキツいのか」と思うくらい、体力的にも精神的にもしんどかったです。特に実家から離れて一人暮らしで頑張っている学生は、本当に尊敬します。

💡 実習先はどうやって決まる?

大学によって異なりますが、私の経験では病院は複数の候補から自分で選べ、薬局は自宅から近い施設が半ば自動的に割り当てられるという形でした。病院選びに迷っている4年生は、「どんな規模・診療科で経験を積みたいか」を基準に考えてみるといいでしょう。

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病院薬剤師って、何をしている人?

薬局の薬剤師はイメージしやすいと思いますが、病院薬剤師の仕事は意外と知られていません。ざっくりまとめると、こんな業務をしています。

  • 入院・外来患者の内服薬の調剤
  • 注射薬の調剤・混注(ミキシング)
  • DI業務(医薬品情報の管理・提供)
  • 麻薬・毒薬・向精神薬などの管理
  • ワクチン・生物由来製品などの特殊薬品管理
  • 病棟業務(持参薬管理、カンファレンス参加、患者への服薬指導、副作用モニタリングなど)

特に「病棟業務」は、薬剤師が直接患者さんのそばに行き、チーム医療の一員として動く仕事です。医師や看護師とカンファレンスで意見を交わすこともあります。想像以上に「人と関わる仕事」なんですよね。

大学病院を選んだ実習は「楽しかった」

私は病院実習で大学病院を選択しました。大学病院ならではの特徴として、他大学から来た学生も多く集まるため、1期で約30人という大所帯での実習になりました。同じ薬学生とはいえ違う大学の仲間たちと切磋琢磨できる環境は、刺激があって本当に楽しかったです。

業務の幅が広い分、さまざまな経験を短期間で積めるのも大学病院の魅力。4年生でまだ悩んでいる方には、候補のひとつとして大学病院を強くおすすめします。

実習生は何をする?指導薬剤師の本音も添えて

実習生は、各業務について指導薬剤師から説明を受け、一部は監督のもとで実際に体験させてもらいます。薬剤師による専門的な講義もあります。

ただ、実習生が来ることで指導薬剤師の業務負担はかなり増えます。説明するだけでも時間がかかりますし、正直「学生が来ると残業確定」という側面もあるのが現実です(私自身、今は指導する立場なので本音として)。

やる気のなさは、すぐバレます

指導する側も人間です。明らかにやる気がなかったり、最低限の予習もしてこない学生には、どうしても教えるモチベーションが下がります。逆に、積極的に質問して一緒に考えてくれる学生には、自然と深い話をしたくなります。

🏆 病院実習で得られるもの

「薬剤師がチーム医療でどんな役割を果たしているか」を肌で感じられる場は、病院実習だけです。この経験は後の国家試験勉強にも直結します。教科書の知識がぐっと「使える知識」に変わる感覚を、ぜひ体験してください。

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病院薬剤師と薬局薬剤師、何が違うの?

病院実習を終えると、次は薬局実習です。同じ「薬剤師」でも、病院と薬局では働き方がかなり違います。

項目 病院 薬局
夜勤 あり(施設による) 基本なし(オンコール対応の場合あり)
注射薬調剤 あり 基本なし
カンファレンス あり 基本なし
会計処理 医療事務が担当 薬剤師が行う場合あり
投薬(服薬指導)の数 少なめ 非常に多い
在宅医療 少ない 積極的に取り組む施設が多い

どちらが良い・悪いではなく、やりたい仕事によって向いている場所が異なるということです。両方を経験したうえで進路を考えられるのが、5年生の実習の大きな価値でもあります。

薬局実習ならではの学び①:投薬(服薬指導)の多さ

薬局では、調剤した薬を患者さんに渡す「投薬(服薬指導)」の件数が非常に多いです。

病院では、医師や看護師が「血圧下げる薬追加しておきますね」とさらっと説明してしまうケースも多く、薬剤師が全患者に丁寧に服薬指導をするのは現実的に難しい面があります(私の職場では、抗がん剤や免疫抑制剤など特に注意が必要な薬は重点的に指導しています)。

一方、薬局は投薬がメインの業務になるため、患者さんとのコミュニケーションを大切にしたい薬剤師には非常に向いている場所です。

💡 免許取得前に服薬指導ができる、唯一の機会

実習中には、患者さんの許可をいただいたうえで、学生自身が服薬指導をさせてもらう機会があります。私自身も2名の患者さんを担当させていただきました。薬剤師免許を持たない学生が患者さんに服薬指導できるのは、この実習の期間だけです。

薬局実習ならではの学び②:在宅医療

薬局実習のもうひとつの特徴が、在宅医療への関わりです。患者さんのご自宅や入居施設に薬剤師が直接訪問し、薬の管理状況や副作用の有無を確認したり、必要に応じて処方の変更を医師に提案する業務です。

独居の高齢者や、多種類の薬を服用している患者さんが主な対象で、まさに地域医療の要といえる業務。病院実習では体験できない、薬局ならではの学びがここにあります。

知っておきたい薬局実習の裏事情

最後に、あまり表では語られない薬局実習の裏事情を少し。

薬局実習は、慣れてくると実習生がほぼ戦力として動けるようになります。正直「少しくらいお給料もらえてもいいのでは…」と思うくらい疲れます(笑)。施設によっては、指導薬剤師の先生にご飯をご馳走してもらえることも。私も最終日に薬局長から手作りの修了証とともにランチをご馳走になり、本当に感謝しています。

📌 受け入れ施設には「報酬」がある

薬局・病院ともに、実習生を受け入れると学生1名あたり数十万円の報酬が大学から支払われます(財源は学費)。つまり、受け入れ施設側にも学生を迎えるインセンティブがあるわけです。また、実習先からそのまま就職のスカウトを受けるケースも少なくありません。志望先の薬局で実習できた場合は、特に全力で取り組むことをおすすめします。

まとめ:薬学部5年生の実習を「最大限」活かすために

病院実習・薬局実習を通じて得られるものは、単なる「薬剤師業務の体験」だけではありません。

  • 国家試験に向けた知識の実践的な定着
  • 病院・薬局どちらに就職したいかの判断材料
  • 医療現場での立ち回り方・コミュニケーション力
  • 「どんな薬剤師になりたいか」という将来像の明確化

🏆 この半年を充実させるかどうかは、本人の姿勢ひとつ

受け身にならず、積極的に質問し、指導薬剤師の先生と一緒に考える姿勢を持つこと。それだけで、実習の密度は大きく変わります。ぜひ、悔いのない実習にしてください!

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ABOUT ME
hiropon
ヒロポンです。 新卒から大学病院で8年間勤務し、北海道移住➤転職して現在は企業薬剤師をしています。FIREを目指して資産形成をしており、世帯資産3700万円を突破。 転職や薬学部での経験、資産運用の経験を活かして薬剤師のキャリア・国家試験対策・資産形成に関する情報発信をしています!