今回は薬学部生生活のなかでも1つの節目となる4年生編をお話ししていきます。
3年生までは先の記事で述べていきましたが、忙しくも一般の大学生(多くの理系大学生)と同じような学生生活でした。
しかし、4年生では医・歯・薬学部に共通して行われる学力試験のCBTと実技試験のOSCEが実施されます。
両方とも大学とは無関係の組織が問題作成をしておりますので、大学が実施するわけではありません。
そのため、全国の薬学部生がほぼ同等の試験を別日に受けているということになります。
ここが一般的な大学生と大きく異なる点だと思います。それぞれについて簡単に解説していきます。
【薬学部の4年生から5年生に上がるタイミングで立ちはだかる壁】

【共用試験(CBT)】
補足ですが、医・歯・薬学部生は5年生にて現場で実務実習が行われます。
もちろん先生の指導の下ですが、医療行為を行うため、一定の知識・技能が必要とされます。
そこで必要な学力を担保する試験がCBTです。
PCで実施され、5択から正解1つ選ぶ試験です(薬学部では)。
ちゃんと講義を受けて単位を取得してきた学生であれば95%程度が合格するため、難易度は高くありません。(再試験もありそこでほぼ全員が合格できます。)
4年生はこの学力試験合格のために大学が実施してくる定期学力試験を突破し、合間に実務実習の練習をしなければならないため、結構忙しいです。
【OSCE】
実務実習に行ったとき、何もわかりませんだと得られる経験値も著しく低下します。
また、あまりに実務ができないと教える側にも多大な負荷が掛かってしまうため、事前に薬局や病院で必要な技能を練習しておき、それができているかを評価するのがOSCE(オスキー)です。
評価員は実際に現場で働いている薬剤師です。
実務内容はたくさんありますが、基本的なものとして調剤全般(計数、散剤、水剤、軟膏などの外用剤)、処方監査(処方箋に薬学的誤りがあるためそれを指摘する)、注射剤の混注(クリーンベンチという機械の中で無菌的に注射剤を作る)、問診(なぜ現在の処方が出されているのかを模擬患者から聞き取り、医師の処方意図を読み取る)、疑義照会(処方箋の誤りを発見し、電話にて模擬医師に確認する)。
細かくなりましたが、このような内容で行われます。
内容は毎年異なり、すべての項目を手広く実施する必要があります。4年生時の授業の半分くらいはこの実務試験突破に費やされます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
本格的に薬剤師に向けて動きはじめた感じですよね。
私自身も、やっと薬剤師になるための実践的なことができるのか~と思ったものです。
CBT、OSCEは薬剤師の仮免許試験のようなものですので、本当に最低限実習に行ける程度の知識と技能があれば落ちることはありません。
次回は5年生(実務実習編)をお話していきます。