今回は、節約の中でも極めて重要な「自炊」について解説していきます。正しい自炊のスキルを身に着けることで節約生活が捗るどころか、健康にもなれてしまうので是非身に着けてください。本記事を読むことで、自炊の重要性、時短・節約料理を知ることができます。
目次
前提
この記事は高年収・高時給で忙しく働いている人は対象としていません。
なぜなら、食事を外注する(外食・中食・テイクアウト・出前などをすること)は時間を買う行為でもあるからです。
自炊には時間が掛かりますし、食べるに至るまでに多くの工程があります。
- ①食べたい料理を考える(決める)
- ②必要な材料を調べる
- ③買い物に行き材料を仕入れる
- ④調理する
- ⑤食器・調理器具を洗う
食材のストックがある人やレシピが頭に入っている人は②、③をスキップすることができますが、それでも最低3つの工程が発生します。
それに加えて、調理による怪我、加熱に伴う火事・火傷のリスク、食材が腐ることによる無駄などの様々なリスクも伴います。
水道光熱費もバカにはなりません。
高収入の方で、本業以外の時間に稼ぐor休むor趣味のいずれかで自炊よりもやりたいことがある場合はそちらを優先した方が合理的です。(金銭的な意味だけで言えば)
休息も本業でしっかり稼ぐためには大切な時間ですので、高収入の人にとっては非常に価値ある時間です。
ですが、日本の平均年収程度の収入である場合、平均値から上に行くには普通の人よりも努力が必要なのは言うまでもありません。
もちろん、会社からの給与は平均的であっても、副業で月数万円稼いでいる人は、自炊に充てる時間を副業に充てることで収入を上げた方が合理的です。
自炊をせずに時間を買ってまでやる必要があることがあるのであればそれを咎めることはできません。
ただ、多くの人はただめんどくさいからとか、疲れているからという理由で自炊をしないパータンでしょう。
本気で蓄財したいという気持ちがあるのなら、時間を買っている場合ではありません。
時間を買うというのは非常に贅沢な行為だということを再認識してください。
凡人が平均よりも上に行きたいのなら自炊という名の努力を惜しんでいる場合ではありません。
また、外食、中食というのは、お金の面だけではなく健康面でもマイナスに働く可能性が高いと考えられます。
外食チェーンというのは、如何にリピートしてもらえるかを日夜研究して味付けを決めていますから、中毒(病みつき)になるような濃い目の味付けの商品が自ずと多くなります。
人間は糖質、脂質、塩分の奴隷です。
これは太古の昔、我々人類の祖先が糖質、脂質、塩分を摂ることが難しく、それを摂れた時に幸福と感じるように進化したからだと考えられます。
この3つをたっぷりと使用した商品は人間の脳をハックし、また食べたいと思いこませます。
この3つを過剰に摂ることが体によくないというのは言わずもがなですね。
ただ、人間の脳というのは結構バカで、糖質、脂質、塩分を摂るとドーパミンやエンドルフィンなどの幸福快楽物質を分泌し、再びそれを摂取するように促してきます。
脳をハックされると抗うのは非常に困難です。
それを防ぐためには普段から薄味、あっさりの食事を心がけ、満足度の閾値を高くしないことが非常に重要です。
自炊であれば、糖質、脂質、塩分の調整がしやすいですから、意識的に摂りすぎを防ぐことができます。
上記より、自炊が健康に寄与するのは明白であり、自炊のデメリット(時間の消費、怪我のリスクなど)をメリットが凌駕することは言うまでもありません。
自炊の重要性
ほとんど前提で述べてしまいました。
大きな重要ポイントは2つで健康に関するメリットと金銭的メリットです。
順に解説します。
健康
前提として、外食、中食はカロリー、塩分が高すぎます
上記表は人気牛丼チェーンの一つである「すき家」の牛丼(トッピング無し)の栄養成分表です。
並盛に注目して見てみると、カロリーは733㎉です。
成人男性であれば、1日に2200~2500㎉程度が必要なので、1食当たり750~800㎉程度の計算になります。
カロリーとしてはちょうどよさそうではありますが、脂質が高すぎますね。
脂質摂取量の目安は1日に必要な総カロリー数の20~30%ですから、2200㎉×0.2=440㎉程度
脂肪のグラム数に換算すると440㎉÷9≒50g程度です。
1日で50g摂ればよい脂質を1食で半分の25g摂っているのは食事バランスとしては偏っていますよね?
塩分も1日6gが目標量ですが、1回の食事で2.5gも摂っています。
朝昼夕で調節をして栄養素の摂取量をコントロールできる人はいいですが、多くの人はそんなことは出来ないでしょう。
また、牛丼のマイナスポイントをさらに上げると、使われている食材品目数が少ない点です。
つゆの素材はいろいろある(出汁、化学調味料、醤油、砂糖、みりんなど)かもしれませんが、メインの食材は米飯、牛肉、タマネギと3種類です。
かろうじて野菜としてタマネギが入っていますが、牛丼に入っているタマネギを食べているから野菜を食べていると言い張るにはあまりに心許ないですね。
人間が生きるためには、カロリー以外にもビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維、電解質、アミノ酸など様々な物質が必要となります。
これらを網羅的に摂取するためには様々な種類の食材を摂取する必要があります。
食材の品目数を増やすことで、質の悪い食材だけでカロリーを摂らずにバランスよく食べることができます。
ただし私はすき家を始めとした牛丼チェーンを否定するつもりは全くありません。
むしろ年に1回程度食べるのが楽しみまであります。
牛丼おいしくないですか?
あの価格であのクオリティの牛丼を提供していることに感動すら覚えます。
ですが、なんども言うように日常的に食べるには栄養面・経済面でおすすめできません。
丼料理は往々にして野菜が不足しがちですし、脂質、塩分が多くなりがちです。
かつ丼、天丼、牛丼などは手軽で美味ですが、食べる頻度は多くても月1回程度に抑えた方が健康面ではよいと考えます。
中食についても同様です。
中食とは外食と自炊の中間で、総菜や弁当を購入して食べることです。
スーパーや弁当屋さん、コンビニなどの弁当の大半には大量の化学調味料、保存料が添加されています。
もちろん法律の範囲内ですが、それでも自炊して作った料理と比べるとその含有量は圧倒的に多いです。
加えて先にも述べているように塩分、脂質が多く、総合的な栄養価は低いです。
経済面では外食よりも利がありますが、いずれにしても毎日摂取していいような食べ物ではありません。
生活習慣病のリスクを少しでも下げたいのであれば、極力食べないことをおすすめします。
金銭面
まず、一般的な人の食費がひと月あたりいくらぐらい掛かっているのかを確認してみましょう。
2019年までのデータであり少し古いですが、状況をざっくり把握するにはこのデータで十分でしょう。
データは以下のサイトから引用しました。
https://www.aeonbank.co.jp/special/money/190/
単身世帯食費の内訳
- ・自炊 15582円
- ・中食 15675円
- ・外食 13005円
- ・合計 44263円
単身世帯のひと月当たりの食費は約44000円で、そのうち外食+中食の割合は約65%でした。
以外にも35%は自炊をしているという結果でしたが、男性の方が自炊割合は低いようです。
2人以上世帯食費の内訳
- ・自炊 39489円
- ・中食 26229円
- ・外食 14743円
- ・合計 80461円
二人以上世帯のひと月当たりの食費は約8万円で、そのうち外食+中食の割合は約51%でした。
やはり、家庭がある世帯の方が自炊をする傾向があるようですね。
二人以上と区分が大雑把なので、夫婦のみの二人暮らしから祖父母まで同居しているような大家族まで含まれているため、合計の数字そのものに大きな意味はありません。
お金のことを考える上では、支出の内食費が占める割合が重要になってきます。
これをわかりやすく表したものに「エンゲル係数」というものがあります。
エンゲル係数は上述したように、支出のうちに占める食費の割合を表しています。
日本の平均値は約25%と言われています。
例えば月の支出が20万円で食費が5万円であれば、(5万円÷20万円)×100=25%となります。
シンプルにこの値が高ければ支出に対する食費の割合が高いことを示し、食費にお金をかけすぎていることになります。
例えば我が家の場合では、月の支出が平均して17万円程度で食費は23000円程度ですので、(23000円÷170000円)×100≒13.5%でした。
食費にはお金を惜しまない!と決めて使っている場合はいいかもしれませんが、特に満足度の高い食事を摂っている感覚がないのにエンゲル係数が25%を超えているような場合は要注意です。
食費を見直す時は月の支出を家計簿で把握し、エンゲル係数25%を掛ければ、月に使える食費が算出できます。
月の支出が15万円の場合、エンゲル係数25%とするには・・・
15万円×0.25=37500円です。
エンゲル係数を小さくすることで食費による支出を抑えられますから、まずは現在のエンゲル係数を算出できるように支出の記録(家計簿)を付けてひと月当たりの支出と食費を確認してみましょう。
ただし、お察しの通り、このエンゲル係数というのは生活費が極端に低い場合は節約においてあまり意味を成しません。
なぜなら、生命活動を維持するために、一定以上食費が掛かるのは避けられないからです。
仮に自給自足のサバイバル生活でもしているのなら話は別ですが、そうでない人は少なくとも月1万円程度は食費が必要なはずです。
仮に月の生活費が5万円という驚異的な世帯がいた場合、この世帯のエンゲル係数25%ととした食費は12500円です。
一人暮らしなら節約生活ガチればいけますが、2人以上世帯ではほぼ不可能です。
重要なのは、今の支出の把握と全体に占める食費の割合を知ること。
また、所得が増えてもやみくもにエンゲル係数を上げないことです。
多くの人が経済的に豊かになれないのは給与が上がるに連れて生活水準も一緒に上げてしまうことが要因です。
生活水準が上がると、生活支出が増え、エンゲル係数を固定した場合は食費が上がります。
そのため、エンゲル係数は支出に応じて見直していく必要があります。
例)元々月の生活費15万円でエンゲル係数25%の場合は15万円×0.25=37500円ですが、生活費が20万円に増えてもエンゲル係数を見直さなければ食費は5万円へ膨らんでしまいます。(20万円×0.25=5万円)
大前提は生活費水準(生活支出)を上げないことですが、どうしてもという場合は、エンゲル係数を低くして家計のウエイトバランスを見直しましょう。
さて、余談が長くなりましたが、自炊の金銭的メリットは言わずともわかりますよね?
例えば牛丼を作るとして、すき家の牛丼の具材は牛肉とタマネギで、あとは米飯ですので3種類。
調べたところ、牛丼1杯当たりの具材は約85g、米飯は約250gでした。
具材85gのうち、牛肉が70g、タマネギが15gと仮定します。
牛肉は米国産としても100g当たりおよそ150円くらいはしますので、70gでは105円。タマネギは1個100円程度で、タマネギは1個当たり200~250gですので、1個200g(100円)として15gだと7.5円です。
米飯は生米1gを通常の硬さで炊いた場合、吸水によって2.2gに増えるものとします。
250gの米飯は生米113.6gに相当します。
あきたこまちは5㎏で1800円くらいで購入できますので、113.6gでは40.9円となります。
調味料が醤油、砂糖、みりんなどがかかると思いますが、原価として計上することが難しいので、すべて合わせて10円とします。
以上から牛丼1杯の原価は具材(牛肉+タマネギ)+米飯+調味料=163.4円です。
調理に使用したガス代を10円で補正すると173.4円
すき家の牛丼並み盛りは400円で、これには、利益、人件費、製造コストなどが乗っています。
実際は大量仕入れによって牛肉の価格はもっと安いと思いますが、コストとしては頑張っても1杯100円はかかりそうですね。
外食チェーンの原価率は30%以下とされていますから400円の30%=120円とまあ妥当ですかね。
自作すると1食当たり173円の牛丼を外食すると400円払って食べることになる。
差額は227円です。この差額に価値を見出せるかがポイントになります。
ちなみに、自炊での製造コストは何食かまとめて作ることで単価を下げることができます。
3日同じ牛丼でよいのであれば、まとめて作ることで150円くらいまではコストを下げられるかと思います。
さて、ここで出てきた277円。時給1000円の人の場合、約17分労働することで得ることができます。
17分やりたくない仕事をする代わりに牛丼をお店で食べるのか、仕事をせずに自分が自炊という名の労働をすることで17分の仕事から逃れるのか、これは人それぞれの価値観によって異なります。
私の場合は後者です。
今の仕事が心の底から嫌いというわけではありませんが、1秒でも早く帰って好きなことをしたいと考えているほどには仕事をしたくありませんので、働く時間を削るためにも自炊をします。
始めたての頃は調理工程も効率が悪く時間が掛かるかもしれませんが、慣れてくるとちょっとしたものなら下ごしらえから食べるところまで30分もかからず用意できるものがほとんどです。
(そもそも、仕事をしている平日に手の込んだ料理など食べる必要はありません。)
食材もまとめて購入して冷蔵・冷凍しておくことですぐに使えますし、調味料も一度揃えればしばらくなくなりません。
そうなれば材料調達に要する時間も削減できるので、時間が掛かるからやらないという言い訳は使えなくなります。
自炊は副業とも考えることができます。
なんなら、普通に副業するよりも得られるお金は大きいです。
自炊は自らが働くことで安く料理を作って食べることですので、ある意味副業です。
収入を増やしたいと考えている人が最初にたどり着くのが副業だと思います。
副業はさまざまなものがあり、稼げるお金や労力は物によって大きく異なります。
会社の規則上副業禁止とされている人も多いかもしれません。
また、副業はやや参入障壁が高いと言えます。
なにか特別なスキルがあれば話は別ですが、何のスキルもない人が仕事を受注して利益を出すのは至難の業です。
ですが自炊ならどうでしょう?
先に述べたように外食・中食と自炊との差額分を自分で労働すれば差額分は自分で稼いだようなものです。
また、通常副業収入には所得税(約20%)が掛かりますが、自炊によって浮かせたお金にはもちろん税金は掛かりません。(青色申告とかあるけどここでは割愛します)
そのため、実際に副業によって稼ぐよりも手残りが多くなりますよね。
頑張ってハードル高めな副業をするよりも、自炊をする方が簡単そうじゃないですか?
この考え方が身に付くと自炊すること自体が楽しくなってきます。
自炊することで、今自分はお金を稼いでいるんだと言い聞かせれば、めんどくせ~とならずに自炊しよ!と前向きになることができます。
月に食費を2万円削減できれば年間で24万円です。すごくないですか?
手取り月収くらいの破壊力があります。
給料を1ヵ月分増やすんだ!と思って自炊に励んでみてください
自炊を効率的にする方法
自炊の大きなハードルとなるのはなによりめんどくさいということです。
買い物もめんどうですが、それに加えて、食材を洗ったり、切ったり、下処理したりと想像以上に手間が多いですよね。
料理に慣れていないうちはそれぞれの工程で手間取ってかなりの時間を要するでしょう。
であるならば、料理の工程数を減らしたり、手の込んだ料理を作らないという工夫をすべきです。
どこまでを手の込んだ料理とするかは人によりますが、ほぼ毎日自炊している私からすると、調理時間が1時間以上掛かるものは手の込んだ料理と言えるのではないでしょうか。
手間が掛かる料理の例
- ・各種揚げ物
- ・煮込み料理
- ・オーブンで調理する必要がある焼き物
上記は私の独断と偏見で思いつく手間が掛かる料理です。
特に揚げ物に関しては、仕込みから片付けまでの手間が半端ではありません。
油汚れの掃除も入れると1時間ですべてを終わらせるのは現実的に厳しいです。
そのため、我が家では揚げ物は一切作らないと決めています。
そもそもそんなに食べたくなりませんが、たまに食べたくなったらスーパーで買ってオーブントースターでリベイクすれば熱々サクサクになりますので、それを食べれば満足です。
体にも悪いので、家で揚げ物を作ることは極力控えることをおすすめします。
手の込んだ料理を自作したいのであれば、時間的に余裕のある休日に趣味だと思って時間を投下してください。
上述したように、自炊を効率的にする方法1つ目は手間のかかる料理を作ろうとしないことです。
2つ目は料理の献立をある程度固定することです。
簡単に言うと、曜日ごとに何を食べるのかをあらかじめ決めておくことによって、必要な食材をまとめて購入して保存することで、都度買い物に行く手間を省きます。
また、メニューを考えるという手間も省くことができます。
よく夫婦のやり取りで、妻が「何食べたい?」と聞いて、夫が「何でもいいよ~」とか「適当で~」というと妻がイラっとするなんてのがありますよね?
献立を考えるという行為は、頭を働かせて、食べたいものと作れるものとを想像し、さらに必要な食材と調理工程を想像して所要時間まで想像してと考えることが多いのです。
これだけ頭を働かせて作ったのに失敗したり、実はそんなに食べたくなかったとなると自炊の満足度は下がってしまいますよね。
であれば、好きな料理数種類にレパートリーを絞って練習してみてはどうでしょう?
料理というのは何度も作ることによって徐々に上達してくるものです。
好きな料理であれば飽きるまで食べられますから何度でも挑戦し、美味しく作れるように練習すれば味・提供スピードもどんどん上達し、お店顔負けの出来になってきます。
こうなってくるとさらに自炊のメリットを強く享受できます。
それは、外食よりも自分好みの味に調節できるのでむしろ美味しく感じるということです。
私ははっきり言って自分で作る料理の味が大好きです。
稀に中食をしますが、やはり金額に見合った味だとは思えないのです。(貧乏性すぎですかね)
300~400円出してこれならストックの乾麺(うどん・そば・そうめんなど)でも茹でればよかったと後悔する時もあります。
冷静に考えて、大量販売するために一度に大量に作っている総菜よりも、1食に全集中して作った自作料理の方が美味しいのは当然と言えば当然ですよね?
スーパーの総菜を作っているのは人間です。
外食の料理を作っているのも人間です。
だとしたら自分にできないわけがありません。
確かにめちゃくちゃ美味しい!という域まで自作で到達するのはある種才能がいるかもしれませんが、自分を含めた家族数人を満足させるレベルの食事であれば素人クオリティでいいではありませんか。
一人暮らしであれば自分が満足できればそれいいのですからハードルはぐんと下がります。
好きなものをローテーションで食べれば飽きにくくなりますし、合間に外食や中食を挟むことでマンネリ化を防ぐこともできます。
まずは週5日分の夕食メニューを想像し、それらの作り方を習得。以下それをループして作り方を体で覚えてみましょう。
調理器具、調味料は徐々に揃えてもよい
これも自炊挫折勢あるあるですが、最初に張り切って調理器具やマイナー調味料まで一式そろえたけど全然使わずに辞めてしまったという経験をしたことがある方も多いでしょう。
自炊ガチ勢の私でさえ、マイナー調味料はダメにしてしまうことがありますから、自炊頻度が低い人がそれを無駄にせず使い切るのは至難の業です。
上述したように、最初のうちはレパートリーをそんなに用意しなくていいので、必要となる調味料の種類も少なくて済みます。
最低限必要なおすすめ調味料は以下の通りです。
- ・料理のさしすせそ
- ・めんつゆ
- ・みりん
- ・鶏がらスープの素(顆粒)
- ・油(米油かオリーブオイル推奨)
- ・胡椒
- ・顆粒だし
調味料はこんなものでしょうか?
さしすせそとはご存じの方も多いと思いますが、さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)です。(酢は必須ではありません)
砂糖についても実は上級者向け調味料ですので、マストアイテムではないかもしれません。
この辺があれば大抵の和食は作ることができます。
調理器具は以下の通り
- ・フライパン(小型、中型)
- ・雪平鍋(小鍋)
- ・大きめの鍋
- ・包丁
- ・調理用ばさみ
- ・まな板
- ・トング
- ・おたま
- ・ざる
- ・計量カップ
- ・計量スプーン(なくても可)
- ・電子天秤(あるとよい)
- ・電子レンジ
ざっとこんな感じでしょうか?
今はいい時代ですので、ニトリなどのお店でまとめて揃えられます。
初期費用は少し掛かりますが、外食・中食で掛かる費用を考えたらはるかに安いです。
調味料と合わせても1万円程度で一式揃られるのではないでしょうか?
百円均一などで探せばもっと安くできますが、耐久性や使い勝手が悪いものが多いので、ホームセンターなどで買った方が長い目で見ると得です。(お試しならいいかも)
上記最低限の一式を揃えたらあなたは武器をまとった戦士です。
ここからは必要に応じて武器の追加やグレードアップをしていくフェーズです。
料理に慣れてきて、作りたいものが増えてきたり、献立に飽きて新しいものに挑戦したいと思えたら必要に応じて新たな調味料や調理器具を導入してみましょう!
おすすめの節約・時短レシピ
私が普段から食べているものをいくつかご紹介します。
作ってすらいないものもあるのでそれは料理なのか?というツッコミはしないでください。
ここで紹介するものは主に弁当として持っていくものです。
我が家の弁当は主に夕食の残りを詰めることで作られますが、時には夕食のおかずが残らなかったりすることもあるので、その時に以下のレシピを使います。
弁当なんて見た目や味に気を使う必要はありません。食えればいいのです。(持論)
私が弁当に対して思っていることはいかに手間を掛けずに最低限の栄養を摂取できるかということです。
節約時短レシピ①水漬けパスタ
いきなり何を言ってるんだ?と思うかもしれません。
ですが、これは立派な節約時短レシピです。
水漬けとはその名の通りパスタを水に漬けて予め調理しておくことです。
めちゃくちゃ簡単で時間とガス代が節約できるためしょっちゅう食べています。
- ①寝る前にフライパンに乾燥パスタを適量入れそこに水をたっぷり注いで一晩おく。
- ②朝起きたら水を捨てて、お湯を沸かし、ふにゃふにゃになった麺を1分茹でる。
やることは以上です。簡単すぎませんか?
味付けは市販のパスタソースを使います。(これは中食に入るのか?)
パスタソースは2食入りで150円程度のものを購入しているので、ソース代は1食75円。
パスタは大体1食100g程度食べますが、我が家で購入しているパスタは500gで200円程度ですので、麺が1食40円ですね。
そこに冷凍ブロッコリーとふるさと納税でゲットした冷凍エビなどを適当に入れて完成です。
ゆであがったパスタをオリーブオイルで和えるのでそこに多少コストが掛かりますが極少量なので5円と仮定しましょう。
水漬けパスタの製造コストは75円+40円+15円(ブロッコリー)+5円(油)+5円(ガス)=140円程度
パスタソースはディスカウントストアでまとめ買いして職場に常備していますので、時間がないときでも最悪パスタさえ茹でておけば問題ありません。
このパスタの弱点を一つ上げるとすれば塩分量が多いことでしょうか?
パスタソースが結構塩っ辛いので使用量を少し減らして残りは捨てたりしています。
大体ソース1食に2g程度の食塩が入っていますので、1割捨てれば摂取量を1.8gに抑えられます。
栄養価はどうなんだ!という声が聞こえてきそうですが、そりゃサラダ付きの定食やコンビニ食などと比べたら劣ります。
でも、昼食で栄養をしっかり摂ろうという考え自体が私からしたら謎です。
腹いっぱい食べたら眠くなりますし、午後のパフォーマンス落ちますよね?
栄養価の高いブロッコリーとタンパク質の塊であるエビ、最近は家庭菜園で採れるミニトマトを入れていますので、最低限の栄養は摂れています。
それに、眠くなる原因は血糖値の急激な上昇と下降によるものです。
詳しくは別記事を見ていただきたいですが、ごはんやうどん、パンなどは消化が早く、血糖値をぶち上げます。
するとインスリンが出てきて一生懸命血糖値を下げようとします。
その結果一時的に低血糖状態となり、眠気やだるさが生じます。
これをインスリンスパイクと言います。
この現象を起こしやすい食品はGI値という数値が高い食品です。
パスタはGI値がごはんやうどんなどに比べて低く、インスリンスパイクが起こりにくいので糖尿病のリスクを下げると考えます。
以上より、水漬けパスタが栄養面で大きく劣っているとは言えません。
夕食で焼いた肉などが残っていれば適宜それらも追加することでタンパク質を増やすこともできますから、このレシピは非常に優秀です。
このレシピの唯一の欠点は職場に電子レンジが無いと美味しく食べられないという点です。
流石に食べる前にはレンジで温めないと麺がくっついていますし美味しくありません。
職場に電子レンジがある人は500Wで2分程度温めれば美味しく召し上がれますから、ぜひ試してみてください。
節約時短レシピ②めかぶとろとろ蕎麦
これは私の大好きなメニューです。
やることはめかぶを買っておくことと朝起きたらそばを茹でること、麺つゆを密封容器に入れて持っていくこと、以上です。鰹節をかけたり、チューブ生姜、ワサビ、柚子胡椒などを端に付けておくと味変もできて飽きません。
朝の流れ
- ①起きたらすぐにお湯を沸かす(電気ケトルで)
- ②そばを既定の茹で時間よりも1分短く茹でる(ポイント!!)
- ③茹で上がったらすぐに流水でしめて水気を良く切る
- ④タッパーにそばを入れ、上にめかぶを適量乗せ、鰹節をかける
- ⑤密封できる容器(マストです)に麺つゆ(原液)を適量入れる
職場の冷蔵庫が使えたらそこにすぐに入れた方が美味しく食べられますが、難しい場合は保冷剤を添えておくとよいでしょう。
この麺つゆは本当におすすめです。4倍濃縮なので、運搬時にも少量で済みますから液漏れリスクも最小限に抑えられますしなにより安くて美味しいです。
煮物の味付けに使ってもいいですし、親子丼などの味付けにもぴったりです。
めかぶそばのコストを計算してみます。
そばは乾燥タイプで500g260円くらいです。一食100gとして52円。
めかぶは100g140円くらいで1食あたり40gくらい使っているとすると56円。
あとは鰹節10円、各種チューブ調味料10円、ガス代10円とすると138円です。
水漬けパスタとさほど変わらない製造コストですね。
実はそばも購入することは少なく、ふるさと納税でゲットしたものを使用しています。
上記で試算したのは以前買っていた商品の価格です。
そばも上述したGI値が低い食品です。
ですが、注意点として、安すぎるそばはそば粉の割合が低く小麦粉の割合が多いことがあります。
理想は二八蕎麦(小麦粉2:そば粉8)ですが、結構高いので製造コストを考えると私は躊躇してしまいます。
ぱっと見で白っぽい乾燥そばは小麦粉の含有割合が高いことが予想されますので、怪しいものは裏の表示を確認してみましょう。
裏を見ればそば粉の割合が記載されています。
なるべくそば粉の含有割合が高くて値段の安いものを選ぶとよいでしょう。
節約時短レシピ③鶏ハム(茹で鶏むね肉)
この料理は所要時間自体はやや掛かるものの、待ち時間は自由に使えるため、時短レシピとして紹介しておきます。
調理工程は4つです。
- ①鶏むね肉は皮を剥ぎ、フォークでめった刺しにします(ポイント!)
- ②砂糖、塩、胡椒を適量刷り込んで冷蔵庫で1時間ほど休ませます
- ③1時間後、鶏むね肉を小鍋に入れ、水を注ぎ、沸騰するまで強火で加熱
- ④沸騰したら火を止め、蓋をして20~30分放置(余熱調理)
鶏むね肉は安くて高たんぱくで低脂質ですので節約レシピにおいて超重要食材です。
ですが、加熱しすぎると硬くなり、ぱさぱさと美味しくなくなってしまうのが最大の難点です。
それを克服してくれるのがこのレシピです。
余熱でじんわりと火を通すことで低温調理した肉のような状態となり、中がしっとりと柔らかく仕上がります。
切ってみるとほんのりピンク色のことがありますが、一応加熱はされていますのでそのまま食べても問題ありません。
気になる方は電子レンジで30秒ほど追加加熱してみてください。
この鶏ハムは冷めてもパサつかず、お弁当のおかずにも適しています。サラダに乗せてもいいですね。
待ち時間が多いですが、待ち時間は自由時間です。本を読んでも動画を見ても、ほかの家事をしてもいいですからこのレシピのタイムパフォーマンスは高いと思います。
物価上昇の影響で国産鶏むね肉も100gあたり70円ほどになってしまいましたが、それでも豚・牛と比べると値段当たりの栄養価は高く、コストパフォーマンスは抜群に高いです。
やや上級者向けですが、さらに鶏ハムをしっとりさせたい場合はブライン液を作って漬けこむ方法もおすすめです。
ブライン液とは水200mlに砂糖と塩を10gずつ入れた水溶液です。(5%糖液と5%食塩水を合わせたもの)
この液体にめった刺しにした鶏むね肉を漬け込み、数時間(時間があれば一晩)放置してから鶏ハムを作ると超絶しっとりとした鶏ハムを作ることができます。
胡椒をマジックソルトや乾燥バジルなどに変えても味変ができておすすめです!
簡単にできますからぜひ試してみてください!
節約時短レシピ④超速即席みそ汁
これは弁当に持っていくものではなく普段の食事で食べる用です。
味噌汁というと鍋で湯を沸かして具材を茹でて出汁を入れて味噌を溶いて・・・と地味に工程数が多いですよね?
ですが私はこれらをほとんどすっ飛ばします。
作り方
- ①味噌をスプーンで適量取りお椀に入れる
- ②顆粒だしの素を適量振りかける
- ③乾燥わかめ(増えるわかめなど)を適量入れる
- ④熱湯を注ぐ
これだけです。簡単じゃないですか?
これなら小鍋を洗わなくて済みますし、味噌漉しや包丁、まな板も不要です。
お湯は電気ケトルで沸かしましょう。
味噌というのは案外普通に溶けますから熱湯を注いで少し待てば普通に味噌汁になります。
私の場合は健康を気にしてここに水溶性食物繊維の粉を追加したりしていますが、これは別に必須ではありません。
味噌は塩分が多いので摂りすぎはよくないですが、味噌自体は発酵食品であり非常に健康によい食材です。
汁物を取り入れることで食べ過ぎを防ぐこともできます。
私は試したことがありませんが、フリーズドライ野菜などを入れてみてもいいかもしれませんね。
手軽に発酵食品を摂れますのでぜひ試してみてください!
まとめ
いかがだったでしょうか?
本来の私は料理が好きなので、普通に手の込んだものも作ります。
この記事で紹介しているのはそんな料理好きの私ですら作るのめんどくさいなと思うときに作るレシピです。
普段は本格的なパスタ、煮込み料理全般、和食、洋食、中華など幅広く作りますので、自分の好きなものが食べられて本当に幸せを感じていますし、自炊をしていてひもじいと思ったことなどありません。
私が外食をするときは妻や友人と楽しい時間を共有するための娯楽費であり、食費としては考えていません。
中食は完全に時間を買うつもりで利用することがあります。
揚げ物などは値引き品もありますし、自宅で作るよりも買った方が諸経費、時間もろもろ考えても安いです。
まずはなんとしてでも主食(ご飯、麺類など)は自宅で作るんだ!という覚悟を持ってください。
最初の頃は栄養面まで考えるのは大変ですから、まずは栄養価を気にせず好きな料理が好みの味付けになるまで試してみましょう!
ハマればとんでもない節約効果がありますからぜひ私と一緒に頑張りましょう!
別記事で自炊メニューのレシピなども書いていこうと思いますのでそちらもぜひ見てみてください。