今回は私がずっと書きたかったことで、このブログを始めるきっかけとなったことです。お金×薬剤師という私の強みを活かした内容となっています。この記事を読むことで、健康でいることが如何に金銭面で有利であるかを理解することができます。
前提
皆さんは「幸福の資本論」という本をご存じでしょうか?
この本は数多くの名著を執筆されている橘玲さんが書かれた本であり、そのタイトルの通り、幸福とはなにかを独自に定義して解説している本です。
この本の内容は多くのYouTuberのチャンネルなどで要約されており、多くの人の考え方に影響を与えている本です。
私もその一人であり、元々お金や健康について自分でもいろいろと考えていましたが、言葉にして表現されるとなるほど確かにとどこか腑に落ちたんですよね。
この記事では幸福の資本論で述べられている人生における3つの幸福のうち「人的資本」にフォーカスして説明していきます。
ちなみに残りの二つは「社会資本」と「金融資産」です。
社会資本とは簡単に言うと人と人とのつながりです。
結婚、子供、友達、家族など自分の周りの社会を形成する大切な人たちがいると思いますが、これらをざっくりまとめて社会資本と表現しています。
金融資産は文字通り「金(かね)」ですね。
橘先生はこの本で、3つすべてを高める必要はないと言っています。
当たり前ですが、何事もバランスなので、これらを自分の幸福を感じやすいバランスで割り振ること、またそれを達成するために努力をすることが重要だということです。
例えるなら、貧しい(金融資産が少ない)状態でも、大切な家族と慎ましく暮らせれば幸せという人がいたとするならば、その人の幸福の割合は社会資本に寄っていると言えます。
ここで言う人的資本とは、わかりやすく言うと「一個人の金を稼ぐ能力」となります。(私の解釈では)
金を稼ぐ能力とは、ビジネスを行う上での専門性や特殊なスキルなどのことです。
人的資本が大きいパターンのわかりやすい例で言えば「医師」とかですね。
医師は金を稼ぐ能力はピカイチですので、橘先生から言わせればその人の人的資本はめちゃんこ高いということになります。
ただし、この人的資本を語るうえで見逃してはいけないのが能力を持っていたとしてもそれを安定して発揮できる肉体が伴っているかという点です。
例えば、定期的に研修医が自殺してしまうように、医師は過酷な労働環境の中激務をこなしています。(別に医師に限った話ではないですが)
そんな環境の中で、心身共に疲弊し、体調を崩したり、メンタルをやられてしまったりする医師は後を絶ちません。(私も実際職場で突然離職したり、長期休暇を取る医師を見てきています)
私は別に厳しい環境で耐えるのが偉いとか、ドロップアウトした人が根性が無いとか言いたいわけではありません。
ただ、いくらお金を稼ぐスキルや専門性があっても、それを継続できる状態でなければ「資本」とは呼べないと思うのです。
要するに、心身の健康を保つことは人的資本を大きくする効果が得られるわけです。
人的資本は勉強などでも高められますが、社会人になってから勉強をしている人はかなり少ないでしょう。
これでは人的資本はなかなか高まりません。
でも、勉強が嫌いな人でも、日々の生活に気を付けて、健康を保つだけで人的資本を大きくすることができるのです。
人的資本は稼ぐ能力、すなわち働ける能力であるため、そこまで給料が高くなくても、心身共に健康で長く働くことができれば、生活習慣病やメンタルの不調で働けなくなったりした高所得者よりも長い目で見ればお金を稼ぐことができますよね?
スキルアップのための努力が難しいなら、少しでも健康で長く働くことがお金に困らず暮らしていくために必須となります。
先天性、遺伝性、突発性の難病など自分の努力ではどうしようもないケースを除き、自衛できる部分はやればやるだけ将来的に得をするので、健康への投資はやらない理由がありません。
生活習慣病の人をディスりたいわけではありませんが、私が職場で見ている限り、若くして(40-50代)で循環器系、脳神経系、腎臓系の疾患に罹患している人はかなり高い確率で肥満+糖尿病+喫煙者です。
ここに酒豪も加えたいところですが、酒豪はどちらかというと消化器系の疾患で苦しんでいる人が多いですね。(これは別記事で解説しようと思っています。)
調剤(内服、注射)している時に年齢も見るのですが、「40代でこの薬使ってるんかよ!」と思ってカルテをよくよく見ると体重90㎏、高血圧、喫煙歴20年とかの人なので、「まあそりゃそうなるよ・・・」としか言えないような人がほとんどです。
まれに今まで何の病気もなかったのに突然くも膜下出血などを発症して亡くなられる40ー50代もおられますが、本当に稀です。
つまり、自分の努力次第で生活習慣から来る病気の発症リスクは軽減できるんです。
だったら、健康を保つ努力はやらない理由がないですよね?
では前置きが長くなりましたが上記を踏まえて健康を保つことで得られる節約メリット5選を解説していきます。
本記事では人的資本≒健康と定義して話を進めていきますが、人によって解釈は異なるため、その点はあらかじめご了承ください。
①働ける期間が延びる
これは長すぎる前提の項でほとんど述べていますね。
現代の日本では定年が65歳になりつつあり、4年制大卒(22歳)であれば、約43年間働くことになります。
まあ43年間働くとか絶望しますが、それは置いといて、生きていく上で、働いてさえいれば飢え死にすることはないですから、長く働ける体を持っているのというのはそれだけで価値があります。
上述しましたが、遺伝性、突然発症、小児発症の難病など自分の努力でどうしようもない疾患の人もいます。
そういった方は健康に働ける人が助けるべきであり、上記に当てはまらない人は健康な体で働くことができることに感謝しつつ、働きたくでも働けない方を助けるべきです。
これはもう人間という動物の個体差の問題なので、体が弱い人が悪いとかそういう話ではないです。
ただ、自分の不摂生で体調を崩し、働けなくなることはこれから稼げるであろうお金までどぶに捨てる行為だということです。
体調を崩すということは同時に医療費も余計に掛かってきます。
昨今メディアでやせ薬なんてのが話題になってますけど、私から言わせれば「何を言ってんだ?ふざけんな!」って感じです。
食べなければ痩せる。こんな子供でも分かることができずに、薬に頼って痩せようだなんて言語道断です。
自分の欲望を抑えられずに食べ過ぎ、飲みすぎた挙句、体調悪いから助けてと病院に来る人を見ていますが正直医療従事者は皆呆れていますよ。
とまぁ私の日頃の鬱憤は置いといて、健康を維持する努力をすることは人的資本を大きくすることと同義であり、その結果幸福になれる確率が上がるのであればそれはやるべきではないかというのが私の意見です。
②自分の生産性が向上する
これは①にも少し被っていますが、ここで言う「生産性」とは質の高い仕事をこなすことができる能力だとお考え下さい。
端的に言うと、心身共に健康であれば、仕事の質が上がる→自分の評価が上がる→収入が上がるという循環が生まれます。
もちろん、健康なだけで一切努力をしなければ生産性は上がりません。
ですが、ほとんどの仕事において、仕事をこなしていくうちに少しずつでもスキルが身についてきますし、長くじっくりと続けること自体も努力していると考えることもできます。
昨今の日本ではデフレが続いていたため、賃上げに消極的でしたが、日銀の政策金利引き上げを皮切りに大手を中心に賃上げが行われると予想されています。
大手が先陣を切って賃上げをすれば、スキルのある優秀な人材はそっちに転職したがりますが、そんな人材を逃したくない大手以外の企業も賃上げをせざるを得なくなるでしょう。
生産性を上げることは自分の市場価値を高めることでもあり、自信を持って、今よりよい条件の会社に転職することもできます。
生産性が下がる具体的な症状ってなんだよと思われた方もいると思いますので補足しますと、主に「腰痛」と「肩こり」の影響が大きいそうです。
まあ大体想像つきますね笑
東京大学の研究では、慢性腰痛が働く人のパフォーマンス低下に寄与している現実を鑑みて、モバイルアプリを使った患者教育と運動療法の効果を検証したものがありました。
その研究では、日本人の腰痛の生涯有病率は8割を超えると書かれています。
ここまで偉そうなことを言ってきましたが、私も慢性腰痛保持者です。
私は腰椎分離症という骨の病気(持病)なので、正確には慢性腰痛とは異なりますが、広義的には慢性的に腰が痛いので同じなのかなと思います。
私の場合は、普通の鎮痛薬では効果が無いので、やや強い鎮痛薬を処方してもらって内服しています。
正直これを飲まないとデスクワークができないので、私にとっては非常に重要な薬であり、仕事をする上で欠くことのできないパートナーです。
話が逸れましたが、この研究で言われるように、立ち仕事だろうとデスクワークだろうと腰が痛いとそれだけでパフォーマンスが落ちてしまうということです。
人によっては整形外科に行く時間もお金もないからサポーターとかコルセットで何とかしている人もいるかもしれません。
ただ、私の病気ではない慢性腰痛であれば、運動や姿勢に気を付けたり、ストレッチをしたりすることである程度腰痛を改善することが可能です。
腰回りの筋肉、太ももの裏(ハムストリングス)、インナーマッスルなどを伸ばしたり鍛えることで腰痛改善効果が見込めますので、骨そのものが原因で腰痛になっている人以外はそういったボディメンテナンスに時間を投じてみるのも非常に有意義だと考えます。
③生涯にかかる医療費の削減(軽減)
これは非常に数字としてわかりやすいメリットになりますし、①、②と比べるとその重みを理解しやすい項目かと思います。
皆さんは日本人の1年間にかかる国民1人当たりの医療費がいくらかご存じですか?
答えは・・・平均33万円です!!
生涯では約2700万円!!!
ちなみに上記は保険適応前の金額なので、実際の自己負担は約3割となります。
若者からしたら、そんな掛かるわけねーだろって感じだと思います。
それもそのはず、国民医療費の大半は高齢者が使用していますからね。
ただ、今は掛かってなくても自分が老いて様々な病気発症リスクが上がるので、油断は禁物です。
こちらの図は、ニッセイ基礎研究所が公表しているデータを引用したものであり、見てわかるように、50代後半くらいから平均の33万円を超えてきており、そこからは年齢が上がるにつれて右肩上がりに医療費が上がっています。
85歳以上で100万円越えってえぐすぎですよね~ 俺たちの税金が・・・
とまあ愚痴はさておき、この図より、生涯に掛かる医療費の半分以上が55歳以降に発生しているということです。
仕事をしていてお金が稼げている時には医療費が掛からず、仕事を引退してお金が稼げない時に莫大な医療費が掛かってくる・・・
これって冷静に怖くないですか?不安じゃないですか?
まあこれに付け込んで保険屋は医療保険とかを勧めてくるんですけどね笑
ここから考えなければならないことは、老後に掛かってくる医療費の対策は働いてる時にするしかないということです。
簡単な話、貯金なり資産があれば医療費が発生してもそこから捻出できますからね。
そのために必要な節約や投資の方法はこのブログでどんどん書いていきますので、節約投資はぜひ私の記事を参考にされてください。
また、老後に掛かってくる医療費の多くは生活習慣病の悪化によるものやその合併症の治療費ですので、若いころから健康的な生活習慣を維持することで、老後に掛かる医療費を削減することも可能です。
普段職場で患者を見ていると、高血圧、高脂血症、糖尿病による合併症の人が本当に多いですし、その人たちの中でも自己判断で通院を止めたり、暴飲暴食、酒、タバコ、運動不足と不摂生のオンパレードの方は特にひどいです。
この辺は正に自分の努力次第でどうとでもなるものですし、生活習慣病で病院にかかっている人は己の欲望をコントロールできない人だと思っています。
私たちが生涯で稼げるお金がある程度限界がありますから、生活習慣病の治療にお金を払うのは非常にもったいないことです。
若いうちから健康に気を付けて、生涯掛かる医療費を少しでも節約していきましょう!
健康についても当ブログで記事を上げていますので是非ご覧ください!
④資産運用期間が延びる
これは資産運用をしている前提の話ではありますが、別の記事でも書いているように、この令和の時代に投資をしないのはガチでヤバイですので、健康を保つメリットにちゃっかり盛り込んでます。
耳タコかもしれませんが、投資というのは複利を利用することが超重要であり、複利は時間を味方につけることでその力を遺憾なく発揮することができるのです。
資本主義が崩壊しない限り、長期運用(20年以上)することで過去のデータ上マイナスにはならないというデータが出ていますので、投資商品を長期で保有する=長期間運用することは資産の増加量を上げるだけでなく、負けるリスクを大幅に下げる効果があります
これからの時代が過去と同じようになる保証はありませんし、そんなのだれも分かりませんが、それでも現時点では投資をする人としない人の経済格差は徐々に開いています。
今正しいと言われていることが30年後には間違っていたなんてこともあるかもしれませんが、それを怖がっていたら何もできませんし、それを言い訳に浪費をするのもおかしな話ですよね?
別記事でも書くつもりですが、これからの時代、資産運用はした方がいいからしなきゃヤバイに変わっていくと私は考えています。
金に困ったら国が何とかしてくれるっしょ!と楽観的に構えている人もいるかもしれませんが、経済も人口もGDPも右肩下がりのこの日本で国に頼ることが果たしてできるのでしょうか?
汚職まみれの政治家に期待するよりは自分が努力した方が何万倍もマシに思えてきます。
いろいろと愚痴りましたが、これからの時代投資はするべきであり、その力を最大化させるには時間が必要不可欠であり、その時間を作るためには健康で長生きする必要があるということです。
⑤年金受給額が増える
オワコン日本で年金に頼るつもりかよ!とマネリテ強者に怒られそうですがそうではありません。
いろんなところで言われていますが、我々現役世代が年金を受け取る頃には年金受給額は極めて高い確率で減額されているでしょう。
年金は賦課方式という方法で財源を確保しています。
賦課方式とは簡単に言うと現在働いて年金を納めている人に年金受給者の年金の財源を賄ってもらっているということです。(説明が下手ですみません)
超少子高齢化の日本では生産年齢人口は減る一方ですが、高齢者人口はどんどん増えていきます。
その結果、賦課方式が成立しなくなっていき、ゆくゆくは高齢者が受け取る年金を減額せざるを得ない状況が訪れます。
現状でも、GPIFが頑張って運用して補填したり、社会保険料の一部も使われている状況ですが、そもそも税金を納める人口も減るのでどちらにせよ厳しいと言わざるを得ません。
ただ、賦課方式であるということは、逆に言えば年金がゼロになることはあり得ないということです。(年金を納める人がいる限りは・・・)
少額であっても年金はもらえるとするならば、長生きすればその受給期間は延びますよね?
また年金は繰り下げ需給することで受給額を大幅に増額することができるため、資産に余裕があり、且つ健康体であれば70代前半から需給を開始して90歳くらいまで受け取る想定とすることで総受給額を増やすことができます。
基礎年金の受給額をシミュレーションした結果ですが、グラフで見ると70歳から受給している人は80歳時点で60歳、65歳から受給している人と同額になり、その後は追い抜いていきます。
75歳開始の人は受給開始年齢が遅いので、84歳時点で60歳受給者を、86歳くらい時点で65歳受給者と同額となり、その後はどんどん差が開いていきます。
90歳まで生きた場合、65歳受給者と75歳受給者の差は2477000円でした。意外と小さいと思ったのは私だけでしょうか?笑
95歳まで生きた場合は5501000円でした。
ちなみに100歳まで生きると約900万円の差が出ます。
まあこの項は繰り下げ需給を強くおすすめしているわけではないですが、現時点では個人的に70歳から受給するのが一番コスパがいいように思います。
繰り上げ需給したとしても、長生きすれば相応の年金が受け取れるので、いずれにしても健康を保って長生きすることは金銭面でも得であると言えますね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
本記事では、健康を維持することの大きすぎるメリットを挙げてきました。
体調がよければ何をするにも前向きでいられますし、未来に希望を持つこともできます。
私も持病の腰痛がなくなったらどんなに楽か・・・と日々思っていますが、手術以外では治すことはできず、手術しても完治はせず、現状リスクの方が大きいと言われてしまったため、鎮痛薬で耐えるしかない状況です。
幸い、内科的な疾患は無いので、薬剤師らしく鎮痛薬を上手く使いつつ、生活習慣病を徹底的に予防していこうと思っています。
私が実践している健康を保つための方法や、普段から目にしている不摂生を続けた人の不幸な結末などについても発信していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
人的資本は自分の努力次第でどうとでもなりますので前向きに頑張りましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。