薬学部

第108回薬剤師国家試験速報

こんにちは

今回は22日(水)に合格者発表があった第108回薬剤師国家試験の結果について触れていきます。

目次




第108回薬剤師国家試験

さっそくですが毎年発表されているデータをいきましょう!

                                 厚生労働省HPより引用

いかがでしょうか。

見ていただければわかりますが、全体の合格率は69%でしたね。

これを高いか低いかというのは人によって感じ方が違うかとは思いますが、医師・看護師の合格率は毎年90%を超えていることを考えると低く見えるかもしれません。

新たに生まれる薬剤師は例年1万人前後で平均的でした。

私の大学でもそうでしたが、全国的にも女性の方が合格率は高いようですね。

女性の方がこつこつと早くから勉強している人が多い印象です。男子は最後の半年で追い込む人が多いですが、早くから先を見通して努力を続けている人は女性の方が多かったですね。

参考までに、合格率の推移を添付しておきます

                                厚生労働省HPから引用

合格率は概ね70%前後で推移していますが、この表で目立つのは97回と99回でしょうか。

97回というのは、かつての4年生薬学部から切り替わって初めての6年制薬学部卒の学生が受験した年でした。この年は、2年間薬剤師の供給が減少したロス分を取り戻そうといわんばかりに合格率は高めになりました。

厚生労働省も6年制移行後の最初の試験でしたので、やや緩めに作ったとも言えますね。

当時過去問を解いていましたが、明らかに簡単だったと記憶しています。

そして魔の99回。この回は合格率60.84%と過去最低を記録した恐ろしい年でした。

この回は試験問題の難易度が異様に高く、97、98と合格率が高くなったことを危惧して難易度調整のテコ入れをした結果かもしれません。

供給を増やそうと安易に難易度を下げてしまうと、質の低い薬剤師が生まれてしまいますから、厚生労働省としても早急に対応したことでしょう。まあ100回もえぐいですが・・・

その後の合格率は見事なまでに70%前後で推移していますね。

ちなみに私は102回の時に合格しました。難易度は普通の年だったと言われています(笑)

次に新卒既卒の合格率を見ていきましょう。現役と既卒で違いはあるのでしょうか?

                                 厚生労働省HPから引用

どうでしょう。

冒頭で合格率69%!と言いましたが、新卒(現役)の合格率は84.86%と平均と比較して高くなりました。

この傾向は例年通りで、新卒よりも既卒者の方が圧倒的に合格率が低くなります。44.05%はなかなかえぐいですよね。

既卒者の多くは大手予備校に通い、人によっては予備校の寮に入って丸一年勉強します。

そんなスタディーマシーンと化した人たちの平均が10人中4人程度しか受からないというのは驚きですよね。

理由はさまざま考えられますが、推測するに勉強のモチベーションを保ち続けるのが難しいことがあると思います。

6年大学で過ごすだけでも長いのに、さらに一年勉強するのって高校受験とか大学受験期間より長いじゃないですか。

予備校で強制的に勉強せざるを得ない人は環境によって勉強時間を確保できるかもしれませんが、予備校費用は高く、金銭的に通えない学生もいると思います。

そういう人は自宅とかで1年勉強することになります。皆さんはできるでしょうか?

いわゆる受験勉強は学校や塾などの同じ目標に向かっている同志がいる環境でするかと思いますが、自宅で1日8時間とか勉強しろといわれたら私は無理です。

以下に参考ですが、大手薬学予備校の料金表を載せておきます。

                             薬学ゼミナール公式サイト引用

かなり高いですよね。私立の薬学部の場合、大学の学費だけで約1200万円掛かりますから、追加で学費が掛かるのは手痛い出費ですよね。

薬学ゼミナールは私の大学にも出張で講義に来ており、非常にわかりやすい講師の方々が多くて、教育のプロだなという印象でしたので、この予備校に行く学生も多いです。

次に国立、公立、私立別の合格率です。

                                 厚生労働省HPから引用

国公立の薬学部の入学時偏差値は正直かなり高いです。

2021年の偏差値ですが、一番低い大学で金沢大学(57.5)でした。

国公立は5教科7科目を勉強しなければなりませんから、私立のように科目を絞って勉強できず、手広く勉強しなければなりません。

国公立の授業料は私立と比較して非常に安く、薬剤師になるのなら半端なくコスパはいいと思います。(国公立卒の薬剤師は研究者とかになる人が多いですが)

そんなエリート集団の国公立の新卒者は90%程度の合格率と高いですね。

まあ私立も84.32%と頑張ってはいますが・・・

これは卒業人数を絞っているからですね

私立大学は合格率が低くなってしまうと大学としての人気が下がってしまいますから、見かけ上の合格率を上げなければなりません。

そのために、厳しい卒業試験で卒業者を絞り、受からなそうな人は受けさせないといったことをしています。人気商売なので仕方がないですね。

国公立の人は薬剤師資格を使って臨床(病院・薬局など医療機関)で働くという人は少ないと思います。そのまま大学院に進む人も多いでしょう。薬剤師資格は臨床で使わずとも薬品を扱う上で何かと便利ですので取っておく人もいるのかもしれません。

余談ですが、我らが東京大学の合格率は驚きの56.25%でした!

天下の東大生がなんでこんなことに・・・と思うかもしれません。

ですが、東大生は国試にあまり興味がなく、ほぼノー勉くらいの勢いで受けているのではないでしょうか。東大を出て臨床で働く薬剤師なんていないですし、大学院に行くついでに受けてみたら意外とむずかったわ~テヘペロぐらいのノリだと思います。(推測です)

いくら、日本最高峰の頭脳の持ち主でも、さすがにノー勉でパスできる試験ではないということですね。こちらからしたら、半年くらいはガチ勉してますから、ノー勉で受かられたら悲しくなりますよ(笑)

まとめ

今年も多くの薬剤師が新たに誕生しました。今後の薬剤師のあり方がどう変わっていくのかはわかりませんが、医療の高度化に伴い、求められる知識も年々増してきています。

今回受験された方は本当にお疲れさまでした。これからも日々勉強だと思いますが、一緒に頑張っていきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。




ABOUT ME
hiropon
初めまして。ヒロポンです。 私は大学病院で薬剤師をしています。 医療や健康についての情報発信をしたいと思いブログを始めました。 定期的に皆さんの健康に寄与する記事を更新しますので、よろしくお願いします。