薬学部

薬学部ってこんなところ!薬学部生の6年間(卒論追い込み&講義漬け編)

今回は、最終章6年生編ということで気合い入れていきたいと思います。

6年生は今までの学生生活の集大成でもあり、多くの学生の人生の分岐点でもあります。

多くの課題がある中で、避けては通れないものの一つが卒業論文の提出です。

卒業研究については前回長々と書き連ねましたのでご興味のある方はご覧いただければと思います。




卒論追い込み

卒業論文は薬学部の学位取得の上で必須項目であり、全員が論文の形で提出する必要があります。

というのも、薬剤師というのが昔は研究者、科学者っていう部類だったこともあり、その名残としてこのような仕組みになっているのだと考えられます。

今では医療従事者としてすっかり認知されていますが、昔の薬学部はあまり病態や実務などの講義がなく、化学薬品を扱うスペシャリスト、研究開発に携わる科学者というポジションでした。

次第に、薬の供給のみならず、チーム医療(医師、看護師、その他)に加わり患者の治療に参画し始め、患者と接する機会も増えていきました。

卒業論文の提出時期は各大学によって異なるようですが、職場の同僚などに聞くと概ね同じような時期でした。

私の大学では6年の8月31日が締め切りで、9月に全体の発表会が行われ、ほかの研究室の先生や学生に対して説明、発表をする場がありました。

発表用にポスターを作成し、一通り説明したのちに、教授からの質問に答える形式でした。この場では、同級生が行っていた研究内容を知ることができたので、準備は大変でしたが非常によい機会だったと思います。

9月の卒論発表会が終わると、本格的に国家試験に向けて舵を切ります。卒論追い込みはこんなところでしょうか。

薬剤師国家試験の内容も、時代の流れに応じて変化しており、より実践で必要とされる薬剤師育成に則した内容へと変わってきています。

講義漬け

講義漬けについては文字通りですが、実際手を動かす研究自体は5年末くらいまででほとんどの人が終えており、前回お話しした研究室での業務(ケージ交換など)はなくなります。

その代わりに、6年の4月から講義がびっしりと始まります。

教授の授業もありますが、多くの大学では薬剤国家試験予備校の講義が行われています。

これは、予備校の講師が大学に来て講義をするというものです。

講師の先生は全員が薬剤師であり、国家試験対策に特化した方々です。

教授は自分の分野にはとんでもなく詳しいですが、薬剤師でない先生もいますし、はるか昔に国家試験を終えている先生も多いため、近年の国家試験について広く説明することができません。

予備校講師は、自分の担当科目に全集中しているため、国家試験突破という問題解決に対してはスペシャリストですので、大学からお金を払って講師を招き、国家試験対策をしているのです。

講義は朝9時から16時半まであり、卒論はそのあと進めていくといった具合です。

この時期は講義と卒論で正直忙しかったですね。

単位が取れていない人は予備校講義が被っていた場合、そのコマは出席せずに取りこぼしの科目を優先するため、非常にもったいない上に、取りこぼし単位の期末テスト勉強も並行して行わなければならないためがんじがらめとなり、首が回らなくなる学生もいます。

そういう状況に陥った学生は高確率で留年もしくは卒業延期になります。

予備校授業は、本来お金を払って受けに行くものなので、大学で受けられるものはすべて受けた方が無難ですね。

教え方も上手いですし、理解が必要なところと暗記すればよいところを教えてくれるので、勉強の効率が上がると思います。(私は自習優先で出ない講義もありましたが)

このように、講義がびっしりと入っている中で、定期試験も行われます。

月に1回、国家試験の過去問、過去問を改変した試験を受け、順位が貼りだされます。

これにより、予備校授業に強制出席、席指定などが実行され、成績不振者はさらし者にされます。

このやり方がいいか悪いかはわかりませんが、周りから見れば、明らかに成績が悪いことが分かるので、成績不振者はいい気はしないでしょう。

そこに入らないように頑張るぞという気持ちの切り替えが期待されるかと思いますが、そこに入った人は基本的にずっとそこにいます。

なぜなら、ほかの人もみな必死に勉強しているからです。

その状況でそこから抜け出すのは非常に厳しいです。

自尊心を傷つけられる人もいるのではないでしょうか。(*これはあくまでも私の出身大学の話です。すべての薬学部に共通しているわけではありませんのでくれぐれも誤解のないように)

こんなことをしながら9月まで過ごしていきます。

まとめ

これを見て皆さんはどう思われたでしょうか。

薬学部恐ろしい、忙しすぎと思われた方もいるかもしれません。

ただ、大学卒業&国家試験合格を達成するには必要なことですので、これから薬学部に入る方、目指されている方はこれらを参考にしていただけますと幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。




ABOUT ME
hiropon
初めまして。ヒロポンです。 私は大学病院で薬剤師をしています。 医療や健康についての情報発信をしたいと思いブログを始めました。 定期的に皆さんの健康に寄与する記事を更新しますので、よろしくお願いします。