今回は健康の土台でもある【食】をテーマに、私が書物や大学で学んだ知識から導き出した結論についてお話ししていきます。なかなか痩せられない、すぐリバウンドしてしまうという方は、このページをコピーして壁に貼り付けておけば痩せることができるでしょう。
基礎知識
まず初めに基礎知識として、三大栄養素やカロリー、BMIなどの肥満度の指標について解説していきます。
うるせー!そんなことはいいから早く痩せ方を教えろ!という人は7項目「絶対的な痩せの不等式」に飛んでください。
【三大栄養素】
小学校でも習いますので覚えている方も多いと思いますが、おさらいだと思って見てください。忘れていた人はこれを機に覚えましょう。
- ・炭水化物
- ・脂質
- ・タンパク質
はい。こちらが三大栄養素です。以下でそれぞれについて解説していきます。
炭水化物
言わずと知れた私たち人間の最たる栄養源です。
多く含まれている代表的なものは米、小麦などの穀物、甘みのある野菜、果物、芋類などがあります。
食物繊維も栄養学的には炭水化物に該当しますが、食物繊維は消化・吸収することができないため、厳密にはカロリーとして計算しません。
1g当たりのカロリーは4㎉です。
これは、私たちの体内で炭水化物(糖質)1gを代謝(燃やす)ことで4㎉の熱量(エネルギー)を生み出すことができるということです。
化学的に言うと、炭(カーボン)水(H₂O)化物であり、(CH₂O)ⁿと表記されます。
よく脳を動かすためにブドウ糖が良いらしいなんて話を聞きますよね?
ブドウ糖は別名グルコースと呼ばれ、単糖という形の糖類です。
人間の体はこのグルコースをあれやこれやしてエネルギーを生み出しています。
肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えたり、脂肪に変換したりと貯蔵する機能も備えていますし、腎臓から尿を作るときに再吸収して再利用する徹底ぶり。
これも食事がまともに取れなかった原始時代からの名残だと考えられます。これが現代人の生活習慣病を悪化させていようとは・・・
【炭水化物の含有量】 https://vitabrid.co.jp/columns/healthcare/lipidrestrictioningredients2109/
米類
パン類
麺類
芋類
※サイトによって微妙に糖質含有量が違う場合がありますが微々たるものです。
炭水化物のカロリー計算は以下の通り
ご飯であれば1杯150gに53.4gの糖質が含まれているので53.4g×4㎉=213.6㎉
芋類であれば何グラム摂取するかによって異なりますが、さつまいもであれば100g当たり35.5gの糖質が含まれているので35.5g×4㎉=142㎉
食材レベルではカロリー計算も簡単ですが、料理になってしまうと、別のタンパク質や脂質が加えられて計算がやや面倒になります。
GI値
炭水化物を語るうえで外せないのがGI値です。
GI値とは(グリセミック・インデックス)の略で、ブドウ糖を摂取した際の血糖値の上昇を100とし、それに対して食べ物を食べた時の血糖値の上昇がどの程度かを測定して求めた値です。
上述したように、私たちの体はブドウ糖(グルコース)を利用していますが、糖類とはいくつかの糖が結合した多糖類というものも多く存在します。
例えば二糖類と呼ばれるマルトースやラクトース、スクロースなどはグルコースとガラクトース、グルコースとフルクトース、グルコースとグルコースなど別の糖質が連結しています。
この場合、私たちの体で利用するにはこの結合をちょん切ってグルコースにしなければなりません。
それをしているのが消化酵素です。中学校でならったアミラーゼなどが代表的ですよね。
酵素でちょん切られたグルコースは腸のトランスポーターと呼ばれる輸送体を経由して血液中に入ってきます。
こうして初めて血糖値が上がります。
つまり、ブドウ糖以外の糖質を摂取した場合は血糖値が上がるまでに時間が掛かるということです。
ブドウ糖の水溶液(砂糖水)を飲めば爆速で血糖値が上がりますが、例えばさつまいもなどの芋類の糖質はブドウ糖だけではありませんから、血糖値に反映するまでに時間が掛かります。
血糖値を急激に上げることは肥満、糖尿病のリスクとなります。
そのため、体のことを思いやるのであればGI値の低い低GI食品を選ぶことをお勧めします。
逆に、スポーツ選手などハードな運動をしている人は、エネルギー補給としてGI値の高いものの方が素早くエネルギーチャージができますので、糖質の多いスポーツドリンクやゼリーなどを摂っている人が多いでしょう。
ちなみにジュース類は果糖ブドウ糖液糖と呼ばれる異性化糖が使われているケースが多く、ものすごい速度で吸収されるため血糖値がぶち上ります。
日常的にジュースを飲んでいる人は、早死にしたくなければやめた方がいいです。(ガチで)
低GI値選びのポイント
- ・穀物は精製されていないものを選ぶ
- ・でんぷん質の低い野菜を選ぶ
- ・食物繊維の多い野菜を選ぶ
精製されていない穀物とは玄米や全粒粉小麦などです。白い悪魔とも称される穀物は食べ過ぎによって血糖値をぶち上げて糖尿病や肥満のリスクを上げてしまいます。
玄米や全粒粉小麦などは消化に時間が掛かるため、GI値が低く健康に良いとされています。
蕎麦もGI値が低いことで有名ですが、小麦粉の比率が高いものが多く、二八蕎麦や十割蕎麦であれば健康にもよい麺類と言えるでしょう。(安いものはほとんど小麦粉だったりします)
でんぷん質の高い野菜とはかぼちゃ、芋類などですね。いわゆるほくほく系です。
食物繊維が多い野菜は別記事でも解説していますのでよかったらそちらをご覧ください。
脂質
続いてダイエットの大敵である脂質です。
様々な物に含まれていますが、やはり多いのが油脂(バター、サラダ油、オリーブオイルなど)、牛肉、豚肉、(魚)などです。
1g当たりのカロリーは9㎉です。
三大栄養素では群を抜いて高いですね。
油なのでよく燃えてエネルギーを生み出しそうだなというのは何となく想像がつきますね。
体内ではコレステロール、トリグリセリド、リン脂質などとして蓄えられており、こちらも人間にとって重要なエネルギー源です。
コレステロールやリン脂質は細胞膜を形成したり、体内のシグナル伝達を担っていたりと重要な働きがあります。重要なホルモンであるステロイドや男性・女性ホルモンの原料にもなっています。
こう考えるとコレステロール0を強調した商品がありますが、一概にそれがいいとは言えないですよね。
トリグリセリドは別名中性脂肪とも呼ばれ、エネルギー源として使われています。
コレステロールは主に肝臓で作られて蓄えられており、必要に応じて組織に供給されます。
健康診断でよく見るHDL(善玉)やLDL(悪玉)がそれに該当します。
HDLは組織の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻ってきます。
LDLは肝臓から組織にコレステロールを供給する働きがあります。
悪玉なんて言われていますが、LDLも頑張っているのであんまり悪く言わないであげてください。
コレステロールが過剰になると動脈硬化の原因となるため、健診では目の敵にされ、コレステロールを下げる薬剤も数多く存在します。
体に必須な成分であるため、体内でも合成されますが、その合成量が遺伝的に多い人も存在します。
そのため、痩せているのにコレステロールが高い人もいるのです。(私も少し高いです。)
肥満の人=コレステロール高値は必ずしも成り立ちません。
しかし、中性脂肪については肥満=中性脂肪高値がほぼ成り立ちます。これは食生活の改善で下げることができるものです。
あまり脂っこいものも好まないやせ型の人でコレステロールが高い場合は薬の力を使うのが合理的です。
食事で気を付けられることとすれば、オメガ3脂肪酸(DHA、EPA)など魚油に含まれる脂肪酸の摂取、食事の時に野菜・海藻・きのこなどをしっかり食べる、あまい食べ物(ジュース含む)摂りすぎないことでしょうか。
家族性高コレステロール血症の場合は食事でどうすることもできないケースもあるので、適切に診断を受けたうえで高脂血症治療薬などを内服することをお勧めします。
【脂質含有量】https://vitabrid.co.jp/columns/healthcare/lipidrestrictioningredients2109/
肉類の脂身
卵・乳製品
こう見るとケーキなどの甘くておいしいスイーツはカロリーが高いのもうなずけますね。
小麦と砂糖と卵で作った生地に油分と糖分たっぷりのクリーム、申し訳程度のフルーツとカロリー爆弾です。(私はスイーツ大好きですが)
脂質は貴重なカロリー源ですが、体脂肪を減らしたい人にとっては減らしても差し支えない栄養素と言えます。
なぜなら体内で合成できるからです。
脂質を減らすことは栄養学的に見れば、比較的体に負担が少なくダイエットができるということです。
ですが、脂質を控えているからと言って、好きなだけ炭水化物を摂っていては元も子もありません。
では効率的にダイエットをするにはどうすれば・・・?次の項をご覧ください。
タンパク質
お次にタンパク質です。
タンパク質は英語でプロテインと呼ばれています。
多く含まれている食べ物として代表的なのは肉、魚、豆類、乳製品ですね。
筋トレ勢御用達のアレです。
タンパク質1g当たりのカロリーは4㎉です。
タンパク質とは簡単に言うと私たちの体の血肉を作っている主要な成分です。
栄養学的には複数のアミノ酸がペプチド結合によって連結した集合体です。
少し表現が雑になりましたが、このイメージが重要です。血液の主成分は水分ですが、その中にもいろいろなものが浮いて漂っています。
私たちの体を病原菌から守るための抗体(グロブリン)、体の水分バランスを保つ(アルブミン)、頭や体に生えている毛や皮膚などあらゆるものがタンパク質でできています。
アミノ酸という言葉は聞きなじみがあるかと思いますが、要は超細切れになったタンパク質です。
アミノ酸は単体でも働きを持っているものもありますし、タンパク質合成の材料となっているものもあります。
その中でも体内で合成できないものを必須アミノ酸と呼びそれらは食事から摂取しなくてはなりません。
【必須アミノ酸】
- ・メチオニン
- ・フェニルアラニン
- ・リジン
- ・ヒスチジン
- ・トレオニン(スレオニン)
- ・イソロイシン
- ・バリン
- ・ロイシン
- ・トリプトファン
覚える必要はありませんがこれらが必須アミノ酸です。国試の時に覚えましたね~
上述したように、タンパク質(アミノ酸)が枯渇してしまうと私たちは生命を維持できなくなります。
【1日の目標摂取量】
タンパク質の目標摂取量は標準体重×1~1.2gと言われています。
体重50㎏の人なら50~60g/日ですね。
皆さんは目標達成できているでしょうか?
【タンパク質含有量】https://vitabrid.co.jp/columns/healthcare/meatsfishes2103/
表を見てみるとタンパク質を摂るのって結構大変なんだと思いませんか?
肉だけで見ても、牛モモステーキ100gを食べても19.6gしか摂れません。
肉は水分がその重量の多くを占めていますし、脂質もあるので、純粋にタンパク質だけで見るとこんなものなんですね~
タンパク質を牛肉から50g摂ろうとしたら250gくらい食べないといけません。
肉250gって小食民からしたらしんどいですし、節約の観点からも結構バカになりませんね。
私は体重52㎏の小食なので、52gのタンパク質を食事から摂ることが難しいです。
そのため、たまにしか筋トレしていませんがプロテインを飲んでいます。
プロテインの価格はピンキリですが、安いものであれば高コスパでタンパク質を摂取できます。
↓実際に私が飲んでいるプロテイン
プロテインはビタミンなどが添加されているものもあるので、必要な栄養素を効率よく摂ることができます。
例えばこのプロテインの場合、100g当たり75gのタンパク質が含まれているので、普段の食事に50g(約1食分)を追加するだけで37.5gもタンパク質が摂れます。
残りの必要なタンパク質は肉、魚、大豆製品、乳製品で摂れますので、できる限り1日50g以上タンパク質を摂るように意識しています。
筋トレして体を大きくしたい人は体重1㎏あたり2gを目安にタンパク質を摂取するのがお勧めです。
BMI(肥満度)
BMIとはボディマス指数と呼ばれ、身長と体重から算出される肥満度を表す体格指数です。
【BMI計算式】
BMI=体重(㎏)÷(身長×身長) ※身長はm 例165㎝=1.65m
適正体重=(身長×身長)×22
BMIは25を超えてくると肥満に分類されてきます。
- 18.5~25未満 普通体重
- 25~30未満 肥満度Ⅰ
- 30~35未満 肥満度Ⅱ
- 35~40未満 肥満度Ⅲ
簡単に計算できますので、自分が今どのくらいのBMIなのか、それが肥満に該当するのかを計算してみてください。
体格が大きい人は許容体重も多くなりますので、80㎏とかあっても身長185㎝とかであれば肥満ではありません。
絶対的な痩せの不等式
痩せること自体はこの不等式を意識すればだれでもできます。
よく、そんなに食べてないのになぜか痩せないんだよね~とか言ってる太った患者さんがいますが、食事内容や生活スタイルを聞いてみるとそりゃ痩せないよというケースがほとんどです。
結論は以下の式
1日に必要なカロリー>摂取カロリー
これをするだけで痩せます。当たり前ですが。
【基礎代謝】
まずは基礎代謝を計算
基礎代謝とは生きているだけで消費する本質的な消費カロリーです。
上述しましたが、人間は生命活動を維持するのに取り込んだ食べ物を燃やしてエネルギーを生み出して利用しています。
基礎代謝量はハリスベディクトの式という推定式にて算出することができます。
男性:66.47+13.75×体重+5.00×(身長)ー6.76×(年齢)
女性:655.10+9.56×(体重)+1.84×(身長)ー4.68×(年齢)
こんなのいちいち手計算してらんねーよという方
ご安心ください。
こちらに優秀なサイトがありますので貼っておきます。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736
私のデータで計算してみました。
1411㎉が私の基礎代謝量でした。
つまり、今の私は永遠に寝ている状態でも生きるために最低1411㎉は必要ということです。
逆に言うと、1411㎉以下の摂取量であれば理論上太ることはありません。
基礎代謝量が計算できましたら、お次は必要カロリーです。
必要カロリーとは生きることとは別に活動するために必要なカロリーです。
仕事をしたり、運動をしたり、移動したりといろいろな場面でカロリーを消費します。
そこで、基礎代謝に活動量という数値を掛けることで、1日に自分に必要なカロリー数が算出できます。
ご自分の身体活動レベルを上の表から選択して基礎代謝量に掛ければ1日に必要な摂取カロリーが算出できます。
必要な摂取カロリーを常に下回るように意識して食事すれば理論的には太ることができません。
この式で必要カロリー以下に抑えているのに太ってしまう人は身体活動レベルを高く見積もっているか、自分が把握していない摂取カロリーがあるかです。
勘違いしてはいけませんが、1日に必要なカロリーというのは足りない日が続いたら死んでしまうわけではありません。
私たちの体に必要なのはカロリーだけではなく、ビタミン、ミネラル、水分なども重要で、これらをしっかりと摂っていれば体調が著しく悪くなることもありません。
肥満の人は体にエネルギーをため込んでいる状態ですので、まずは体に入れるカロリーを絞り、蓄えたエネルギーを消費するようにしていく必要があります。
ダイエットをするときに糖質オフを極端に行う人がいますがこれはお勧めできません。
ダイエットを効率的に行うために最も重要なのは「タンパク質」です。
タンパク質は体を作るうえで超重要のみならず、カロリーにもなる最強の栄養素です。
1日の摂取カロリーを炭水化物、タンパク質で構成し、脂質を極端に減らす。
これが効率よくダイエットを行う方法です。
カロリーを摂らずにビタミンやミネラルを摂りたい場合はサプリメントを上手く利用しましょう。
1日の摂取カロリーの内、炭水化物で50~60%、タンパク質で40~50%を目安にすることで脂質をオフしたダイエットを行うことができます。
私の場合、基礎代謝(1411㎉)×活動レベル普通(1.70)=2380㎉が必要カロリーですが、このカロリーを超えることはほぼありません。
そのため、私の体重はここ数年変わっていません。
本気で痩せたい人は以下の方法を愚直に行ってください
- ①必要カロリーを計算
- ②摂取カロリーを計算(食べているものを調べればすぐにわかります。)
- ③必要カロリー>摂取カロリーを数カ月続ける
これで痩せない人は何かの病気の可能性があるので医療機関を受診してください。
※お酒、ジュースを習慣にしている人は注意。飲んだ時はちゃんとカロリーに加えてください。
余談ですが、タンパク質を摂ることを意識すると食費が上がります。
なぜならタンパク質が豊富なものは比較的価格が高いからです。
肉、魚、乳製品は比較的値段が高いですが、栄養価も高いです。(最近は卵も高いですね~)
そんな時に庶民の味方!大豆製品!
納豆、豆腐、豆乳などはタンパク質量、栄養価が高いのに比較的安価で購入できますので節約ダイエットの強い味方です。
ブロッコリーなどのタンパク質が豊富な野菜を摂るのもよいでしょう。
プロテインも摂り入れるとトータルコストを抑えることができます。
本気でダイエットや健康を考えた場合多少コストが掛かってしまうのは致し方ありません。むしろ健康にはしっかりと投資をするべきです。
お菓子を買うのを止めればお金は捻出できましょうから、そこは割り切って健康投資しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
結局当たり前のことを愚直にやることが結果に繋がります。
痩せない人は自分が食べているもののカロリーを調べたりしないでしょうから、本気で痩せたい人はこれくらいできるはずです。
肥満を改善することで生活習慣病のリスクが減り、結果的に健康寿命が延びる確率が上がりますので努力する価値は十分あると思います。
読んでくださった方の理想の体づくりの一助になれば幸いです。
【おまけ】
私は普段から健康を意識するあまり太れない体になってしまいました。
痩せたくて悩んでる人には「喧嘩売ってるの?」と思われるかもしれませんが事実です。
身長166㎝体重52㎏のガリ体形で、もう少し太りたいと食事量を増やしたりしていますが一向に増える気配がありません。健康に気を付けすぎるとこんな弊害もあるのですね(笑)