こいつ金に関する記事ばかりで全然健康の記事アップしないな~と思っている方が多くなってきたと風のうわさで伺ったので久しぶりに健康関連記事を書こうと思います。今回はひそかに話題になっている物質である「ファイトケミカル」についてです。私も個人的に気になっていたので詳しく調べてみました。
目次
ファイトケミカルとは?
ファイトケミカル(phytochemical)とは、植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分のこと(健康長寿ネットHPより引用)
気になってググってみると最初のページにこんなサイトが出てきました。
引用してんならそのページ見ればいいじゃんと言われたら元も子もないのですが、一応そのサイトのURLを下に貼っておきます。
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/phytochemical.html
これだけ聞くと、ブルーベリーのアントシアニンとかニンニクのアリシンとかめかぶのフコイダンなどが頭に浮かびますね?
確かに食物中の色素が体にいいなんて話はいろんなところで出てきていますし、サプリメントになっているものもありますよね?
ただ、重要な点は、ファイトケミカル(フィトケミカル)は健康を維持する上で必須の栄養素ではないということです。
三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)を柱とし、私たちの生命維持には様々な栄養素が必要となってきます。
ビタミン、ミネラル、食物繊維(糖質)、微量元素、微生物(乳酸菌など)など多くの栄養素が私たちの体を形作っています。
そこに必須ではないファイトケミカルが入ってきても居場所なんてあるのでしょうか?
この記事で伝えたいことは、ファイトケミカルは無理してまで摂取するものでもないということと、健康維持にはある程度のお金は掛かるが、必要以上にお金を掛ければより良くなるものでもないということです。
逆にファイトケミカルを摂ることに夢中になりすぎて必須栄養素を蔑ろにしているようでは健康維持に逆行していると言わざるを得ません。
ただ、手軽に安価で手に入る食物にファイトケミカルが含まれているのなら話は別ですよね?
今まではそんなこと知らずに食べていたけど実はあれに含まれていたんだ~と知ることで、今後の食生活を考えるきっかけになるかもしれません。
以下の項目でファイトケミカルについて深堀していきます。
どんな健康効果がある?
ファイトケミカルに期待する効果はその物質によってさまざまですが、最も有用だと考えられているものとして「抗酸化作用」が挙げられます。
聞いたことはあるかと思いますが、私たちの体では栄養素や毒素の代謝を行う際の副産物として「活性酸素」と呼ばれる細胞を強力に酸化する物質が生まれます。
活性酸素はその強力な酸化ストレスにより、老化、がん、生活習慣病に寄与していると考えられており、過剰にならないようにコントロールすべき物質です。
ただし、絶対的な悪ではなく、一部重要な生理反応を行う上で必要となってきますので、0にすればよいというものでもありません。
しかしながら、いろんなところで耳にするように、抗酸化作用=いいものであるイメージはあると思いますし、それ自体は間違ってはいません。
何事もやりすぎはダメで、バランスが大事ということです。
他にも、物質によって血行を促進させて血流を良くしたり、抗菌作用を示したり、酵素の活性化に寄与しているものもあるようです。
どんな食べ物に含まれている?
ファイトケミカルの中で特に注目されている物質は3つあり、ポリフェノール、カロテノイド、含硫化物です。
なんだか化学的な名称が出てきましたね。
それぞれの物質がどんな食物に含まれるのか見ていきましょう
ポリフェノール
ポリフェノールはその名の通り、フェノールがポリ(複数)結合した化合物です。
植物の水溶性色素や辛味、苦みなどの成分として知られています。
代表的なのはアントシアニンやカテキンなどでしょうか
セロリに含まれるアピインには抗不安作用があるという研究報告があるようです。大学で研究されているってすごいですよね。(https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3251)
茶カテキンは美容や健康に良いというのはよく聞きますがカカオに含まれるポリフェノールもファイトケミカルだということは初めて知りました。
普段何気なく摂取している食物にも意外とファイトケミカルが含まれているんだなと調べてみて驚きました。
大豆イソフラボンは悪玉コレステロールを下げる働きもあり、豆腐や納豆、豆乳など比較的安価に手に入る食品から摂取できるので積極的に摂っていきたいですね。
カロテノイド
カロテノイドは動植物の赤色または黄色の色素成分です。
代表的なものが以下の通りです
こちらもイメージはしやすいと思いますが、上の図のようにトマトやカボチャ、人参など色彩豊かな緑黄色野菜に多く含まれています。
βーカロテンは体内でビタミンAに変換されるため、実質ビタミンAのことです。
ビタミンAは体づくりに必要な脂溶性ビタミンの一つであり、体内で1から合成することはできないため、βーカロテンを含む食品を適度に摂ることで原料を補給する必要があります。
リコペンはみなさんご存じトマトのリコピンが代表的ですよね。
リコピンも抗酸化作用が強い物質として超有名ですがスイカの赤色もこれだったとは意外です。
含硫化物
こちらはその名の通り、硫黄(S)を含んだ化合物です。
代表的なのは大根やワサビ、タマネギの辛み成分として知られている上記2つのようです。
薬剤師らしく久しぶりに構造式を確認しましたが、システインはそもそも硫黄を含硫アミノ酸の一種であり、その硫黄にオキシド(O)が二重結合していますので、含硫化物で間違いないですね。
アリルイソチオシアネートも名前にチオ(硫黄)が入っていますし構造式を見れば明らかですね。アリル基を持つシアネートにチオ(S)が結合しています。
大根は酵素が含まれており、食事に用いることで消化を助けると言われています。
すりおろすことで細胞壁が破壊され、辛み成分(有用成分)が摂取しやすくなると考えられます。
タマネギには硫化アリルという含硫化合物が含まれており、目が痛くなる原因ですが、血液をさらさらにする働きがあるとされていますね。
フラボノイドであるケルセチンにも抗酸化作用が期待されているため、やはりタマネギは体によい食品であることは間違いないようです。
調理法によって摂取できる量は変わってくる?
ここで気になるのが、こんなに良いと言われている成分が調理法によっては摂取できないのかという点です。
私なりに調べたり、考えた結果ですので、必ずしも正確かはわかりませんが、分子の性質的には恐らく間違いないと考えます。
まず、ポリフェノールの中でも水溶性色素などは文字通り水に溶けますので、水を使って調理してその汁を捨ててしまうと大幅にロスしてしまうと考えられます。
ただ、熱には強いと考えられますので、スープに加工することで余すことなくポリフェノールを摂取することができます。
ブロッコリーなどは茹ですぎてしまうと大切なポリフェノールやカロテノイド、カリウムなどの栄養素が抜けてしまうため、蒸したり電子レンジでの調理が効果的と考えます。
また、人参のβーカロテンは脂溶性ビタミンの前駆体であるため脂質に溶けやすく、油を使って調理することでより多く抽出することができます。
人参を油で炒めると油がオレンジ色になりますよね?あれがまさにβーカロテンです。
人参からβ-カロテンをたっぷりと抽出してからスープにすると生で食べたり茹でてスープで食べるよりも効率的にβーカロテンを摂取することができます。
逆に熱に弱いのが含硫化物です。
大根やタマネギ、ニンニクなどは生で食べた方が効率的にファイトケミカルを摂取することができます。
ただ、生でタマネギを食べると辛くて食べられなかったりすると思うので、軽く水にさらして辛みを抜いてから食べることでファイトケミカルの消失を防ぐことができます。
また、上述しましたが、大根やタマネギはすりおろすことでより多くのファイトケミカルを抽出できるため、大根おろしやおろしタマネギというのはかなり理にかなった薬味であると言えます。
調べた限り、野菜を生食するのがファイトケミカル摂取においてはよさそうですが、硬かったり、苦みが強かったり、あくが強かったりと生食に適していない野菜もたくさんあると思います。
無理して食べると量食べるのが辛くなりますから、食べやすく加工して食べることをおすすめします。
ファイトケミカルの手軽な摂取方法
調理法の項でほとんど述べてしまいましたが、我が家で定番となっている最強スープを紹介します。
野菜スープ
なんの捻りもなくてすみません。
ただ、ファイトケミカルを効率よくかつ食べやすく摂取するにはこれが最も楽です。
品目は何でもいいですが、人参、キャベツ、適当なキノコはマストで入れます。
これに余っている野菜なんかがあれば適当に放り込みます。タマネギもいいですね。含硫化物は失われますが・・・
人参は皮に栄養が豊富に含まれているため、我が家では皮は剥かずに食べています。
- ①人参はいちょう切りにしてオリーブオイルでじっくり炒める
- ②水を入れて沸かす
- ③キャベツ、キノコを入れ、コンソメ、塩胡椒を入れてひと煮立ちさせる
- ④器に盛りつけ、お好みで粉チーズやスライスチーズをのせて完成
ファイトケミカルスープとでも名付けたくなりますが、このメニューはかなりお手軽かつ安価で作れるため、我が家では味噌汁かこのスープをほぼ必ず飲んでいます。
気分でこのスープに水溶性食物繊維である「イヌリン」を加えています。
イヌリンは食後の血糖値上昇を抑えてくれたり、コレステロールの吸収を抑えたり、腸内細菌のエサとなり腸内環境を整えるのに一役買ってくれますのでおすすめです。
入れるとすぐに溶けて味に影響を与えないため、スプーン1杯入れるだけでダイエットスープにグレードアップします。
このスープを食事の最初に飲むことで炭水化物や脂質を摂っても罪悪感が無くなります。(食べ過ぎはダメ絶対)
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ワンポイントアドバイス
あまり偉そうなことは言えませんが、野菜の皮を剥いて食べることは栄養価的に非常にもったいないことです。
加熱すれば柔らかくなりますし、スープにすれば出汁も取れます。イタリア料理ではブロードとも呼ばれており、野菜くず(タマネギの皮など)をじっくり煮込んで出汁を取って料理に用います。
せっかく野菜を摂取するのですから、余すことなく栄養を補給したいですよね。
うまみも出て栄養素も抽出できるので、野菜の皮はなるべく捨てずに食べたり出汁にしたりと利用していきましょう。
余談ですが、リンゴの皮も非常に栄養価が高いので一緒に食べることをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
普段何気なく食べている野菜や果物には秘めたる力が眠っていることをお分かりいただけたかもしれません。
植物というのは人間が人工的に合成できないような物質を生成したりできるので、私たちにとって大変ありがたい存在です。
私たちが体内で合成できない栄養素がある以上、摂食によって取り込むしかありませんから、食べ過ぎに注意しつつ栄養価の高い食材を積極的に取り入れていきましょう!
P.S
別記事で野菜は野菜ジュースで十分!みたいな記事をあげていますが、あれからいろいろと勉強し、やはり生野菜の潜在能力に健康のヒントを見出しました。
野菜ジュースはあくまでも健康維持のための補助であり、野菜摂取のメインにはなり得ないということを改めて理解しました。