薬学部

薬学部ってこんなところ!薬学部生の6年間(6年生予備試験&卒業試験編)

こんにちは

薬学部生活も終盤に差し掛かりました。今回は6年生の後半について解説していきます。

私の主観的な考えも一部含まれますので、一個人の意見として見ていただけますと幸いです。




予備試験

6年生の後半はざっくり言うと勉強&試験の連続です。

まず9月になりますと予備試験というテストが開催されます。

この試験は何かといいますと、薬剤師国家試験(以下国試)を模した345の問題を国試と同じタイムテーブルで解いていく試験です。

国試は2日間にわたって行われ、必須、理論、実践の3部構成となっております。

それぞれに時間が設けられており、その時間内に問題を解かなければなりません。

その訓練も兼ねて、本格的に国試に慣れていく段階と思っていただければと思います。

予備試験の段階では、まだ難易度はさほど高くなく、過去問をベースとして作られているため、過去問対策をしっかりできていればそれなりの点数を取ることができます(私の主観ですが)。

この予備試験は今後の卒業試験突破において、極めて重要な試験となります。

予備試験は10月、11月と計2回実施され、大学が指定するボーダーを満たすことができれば、卒業試験を突破する条件が緩和されます。

正確には、ボーダーを満たすことができない学生には厳しい条件が課されるという意味です。

予備試験の時点で6年分程度の過去問も覚えられていない学生は国試を突破することは極めて難しいと言わざるを得ないからです。

今思えば予備試験は卒業試験の予備という意味だったのだと気づかされました。(当時は何の予備なのかよくわかっていなかったです)

卒業試験

卒業試験とは、大学が実施する3回にわたる国試想定試験のことです。

問題は教授陣がそれぞれの専門分野を担当して作られており、どの大学においても国試よりも難易度が高いといわれています。

というのも、大学としては国試合格率というのは大学の価値を上げるために重要なファクターとなるのですが、成績不振者や国試合格が危ぶまれる学生を下手に卒業させてしまうと合格率が低下してしまうリスクがあります

あまりにも合格率が低下すると、大学の経営、延いては存続にも関わってくるため、かなり厳しめに設定しているのだと思われます。

合格点は国試と同様に、正答率65%(約225問正解)であり、全3回実施される卒業試験のうち2回で65%を超えるor3回の平均が65%を超えるというものです。

前者は予備試験でボーダーをクリアした学生の条件で、後者はボーダーをクリアできなかった学生の条件です。

前者は、3回中2回超えれば卒業確定なので、先の2回で超えていれば3回目の試験を受けなくて済みます。正直、試験は2日間拘束されるのと、所要時間が掛かることもありかなり疲れます。

また、その時間は勉強もできないため、3回目の試験というのは国試直前であるためタイムロス的な意味合いも大きいと思います。

成績不振だから勉強時間が必要なのに、試験に時間を取られるという負のスパイラルが発生してしまうのです。

ちなみに3回目までいってしまう学生の国試合格率はかなり低いです。

こうして厳しい卒業試験を突破した学生が卒業見込みという権利を得ることができ、国試に申し込みをすることができるようになります。

国試は大学卒業できること(卒業見込み)が受験要件となっているため、卒業試験で脱落した学生は卒業延期という形となります。

これは、留年とは異なり、次年度の秋(9月)に卒業するということです。

この場合、1年遅れですが、現役という形で国試を受けることができますが、結果的にストレートで合格する人に比べて就職が1年遅れます(当たり前ですが)。

また、卒業試験はぎりぎり突破しても国試に落ちてしまった人は国試浪人という形となり、厳しい戦いを強いられます。

多くの人は予備校に通い、1年勉強を続けて来年の国試に向けて準備をします。

厚労省が公表しているデータでは、各大学のストレート合格率、浪人生の合格率があり、どの大学においても国試浪人をした人の合格率は大幅に低下しています。

原因はさまざま考えられると思いますが、現役の時に勉強をしすぎて燃え尽きてしまったり、モチベーションが保てずだらだらしてしまったりと私が経験したわけではないので、推測と友人の様子を見ていた主観ではありますがこんなところでしょうか。

驚くかもしれませんが、6年大学に通って卒業までしたのに、国試を2浪した結果諦めるなんて人もちらほらいます。

私の同級生で知っているだけでも3人ほどいます。

最初の記事でもお話ししましたが、薬剤師国家試験の合格率は年度によってばらつきがあります。

その年の学生の質が極端に違うことは考えにくいですから、問題の質に変化があると考えられます。

過去問を見ていても、明らかに難易度が高い年もあるので、その年に当たってしまうと不合格となってしまう確率も上がるでしょう。

余談ですが、卒業試験の合間に全国模試もあります。

薬学ゼミナール(以下薬ゼミ)が実施する試験であり、薬ゼミは薬剤師国家試験予備校最大手のため、参加する大学数もかなり多いです。

独自に、国試予想問題を作成し、模試を行うため、全国の薬学生の中で自分がどの程度の成績なのかを測ることができ、自分の課題を見つけるきっかけにもなります。

この模試で、ある程度上位に位置していれば、国試の難易度がやや高い回に遭遇してもほぼ確実に受かると考えられます。

国試の合格率というのは、低すぎても薬剤師の供給量が低下してしまうため問題になります。

最初の記事でも書きましたが、少なくとも60%程度は合格するようになっているのです。

そのことから、模試で上位50%程度に位置できていれば合格率は極めて高いと言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

怒涛の1年でしたが、私が本格的に腰を据えて勉強を始めたのは9月中旬からでした。

そこからは講義が無い日は1日8時間程度は机に向かっていました。

個人的にそれがつらかったとは思いませんが、人によってはしんどいかったのかなとは思います。薬学をいかに楽しいと思えるかが重要なのかなと思います。

この6年生の実情を見ても薬学部に入りたいと思っていただいた方はぜひ目指してみてください!




ABOUT ME
hiropon
初めまして。ヒロポンです。 私は大学病院で薬剤師をしています。 医療や健康についての情報発信をしたいと思いブログを始めました。 定期的に皆さんの健康に寄与する記事を更新しますので、よろしくお願いします。