今回は本気でFIREを目指している私が、ネットなどでよく言われるFIREブーム終了について個人的に感じていることを解説していきます。現在FIREを目指している同志の方、これからFIREを目指そうと思っている未来の同士たちへFIREについて理解を深めるきっかけとなれば幸いです。
目次
前提
前提ですが、個人的な意見としてそもそもFIREが向いている向いていない人はいると思います。
ネットで情報を拾っているとFIREしたけど暇すぎて仕事を始めたという人もちらほら見かけますし、すべての人にとってFIREが推奨されるわけではないと思います。
その点を重々理解した上で本記事をお楽しみいただけますと幸いです。
FIREについておさらい
一時期世間を賑わせたFIREですが、最近はその達成難易度からブーム終了とも言われています。
FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの頭文字を取ったものであり、直訳すると「経済的に自立して早期リタイア」となります。
要するに、まとまった資金を用意してそれを資産運用することで終身雇用から抜け出そうぜというムーブメントですね。
資本主義の現代というのは、消費者に如何にして金を使わせ、使う金が無いから働かざるを得ない状況を作り出されることで成り立っています。
金を使う→金がなくなる→働く→金を使う→金がなくなる・・・以下ループ
庶民の大半はこの無限ループに入ることで通常労働から逃れることができません。
これは回し車で回り続けるネズミに例えて「ラットレース」と皮肉られています。
働けど働けど一向に資産が貯まらない。
この状況、実は意図的に作られており、相応の覚悟が無いと脱することは非常に困難です。
FIREはこの働き続けなければならない現状に疑問を持ち、まとまった資産を築くことができればこのループから抜け出せるのではないかという考えから生まれました。
そのため、FIREという頭文字はFinancial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期退職)の2つで構成されています。
経済的自立と早期リタイアは必ずしも同時にする必要はなく、経済的自立を確立してからも働き続ける人はいます。
重要なのは、経済的自立ができれば働かないという選択肢が生まれる点です。
お金のために働かなければならない状況と、社会貢献、自己実現、暇つぶしのために働くのでは、同じ働くという行為でも天と地ほど差がありますよね。
つまりFIREはお金の心配から解放されて、残りの人生を自分のやりたいように自由に生きようぜということです。
そんなFIREにもいくつかタイプが存在しています。
種類が増えて複雑化していますが、代表的なものをご紹介します。
①ファットFIRE
ファットFIREとは仕事を完全にリタイアした後に、そこそこ高い生活水準の暮らしを資産運用益で賄うことができるFIREです。
ファット=贅沢であり、旅行や趣味などにも惜しむことなくお金を使うことができるため、金銭的に非常にゆとりがあるタイプのFIREです。
ただ、高水準の生活を営むということはそれだけ生活コストが掛かることを意味し、それだけ投資リターンを上げる必要があります。
リターンを上げるには投資元本を増やすかリスクを取るかしかありませんが、ほとんどの日知の場合元本を増やすことになるでしょう。
投資リターンの目安は4%ルールに則って推定し、手取りで500万円くらい(労働年収で約625万円相当)の生活をしたいと仮定すると、元本は1億2500万円必要となります。
このように、ファットFIREは必要な元本が高く、庶民が目指す上でその難易度は非常に高いと言えます。
②リーンFIRE
リーンFIREとは仕事を完全にリタイアした後、必要最小限のミニマムな生活を営むことで仕事からの完全離脱を図るFIREです。
リーンとは贅肉が無い、無駄がないという意味であり、趣味や娯楽の費用などを賄うことはできず、慎ましく暮らしていくFIREとなります。
ただし、生活水準が低いので、ファットFIREとは対称的に必要な元本が少なくて済みます。
例えば、手取り150万円くらい(労働年収で190万円程度)の生活をしたいと仮定すると3750万円の元本が必要です。
資産運用に3750万円まわすことができれば、年収190万円の人レベルの暮らしであれば労働せずに実現可能ということです。(過去のデータ上は)
リーンFIREは比較的難易度が低く、庶民でも目指すことのできるFIREと言えます。
③サイドFIRE
サイドFIREは生活費のメインを資産運用益で賄いつつも、不足分は労働収入でカバーするというスタイルであり、生活するために労働もする必要があるFIREです。
巷ではただの金持ちアルバイターなんて皮肉られていますが、正社員という型にはまらず、やりたい仕事(副業)で必要な分お金を稼ぐスタイルなので、ストレスを大幅に減らした状態で働くことができるため、FIRE界隈では密かに人気です。
また、労働ありきのFIREなので投資元本が少なくて済み、FIREのハードルが非常に低いのも人気の理由です。
ちなみに私もサイドFIREを目指しています。
④バリスタFIRE
バリスタFIREはサイドFIREとそこまで大きな差はなく、生活費のメインは資産運用益で賄い、不足分はアルバイトなどで稼ぐスタイルです。
サイドFIREと異なるのは仕事の内容でしょうか。
サイドFIREは自分のやりたいことをフリーランスのようなスタイルで仕事とするのに対し、バリスタFIREはパートやアルバイトなどの雇われ(誰かの元で働く)で働くため、サイドFIREよりも仕事のストレスなどをやや感じるかもしれません。
ただ、皆が皆副業を軌道に乗せることができるわけではないため、それが苦手な人が選択するFIREのスタイルです。
まあ私から言わせれば理由はこじつけでサイドFIREと分ける意味あるのかと思いますが・・・なんかかっこいい名前つけてカテゴライズしたかったんでしょうね。(笑)
⑤コーストFIRE
最後にコーストFIREですが、これは少し特殊なスタイルのFIREです。
コーストFIREはファットとリーンの間ほどの資産運用益であるため、働かなくてもそこそこの生活水準で生活することができますが、本当にやりたいことをしていたらそれが仕事になって結果的にお金を稼げてしまった・・・みたいななんともうらやましいFIREです。
サイドFIREに似ていますが、大きく異なる点は、コーストの場合最悪仕事でお金が稼げなくても普通に生きていけるという点です。
コーストFIREは社会とのつながりなどを断たない、断ちたくないという人が社会貢献も兼ねて仕事していたら利益が出てたみたいな感じですね。
本人としては仕事=辛いことと思っていないため、社会・仕事(やりがい)・お金すべてが理想的な循環で回っている状態と言えますね。
FIREを諦めてしまう理由
ここまでいろんな種類のFIREを紹介してきましたが、冒頭で述べたように巷ではFIREブームが去ったとも言われています。
ではなぜ一時期世間を賑わせたFIREブームが去ってしまったのでしょうか?
理由はいろんなところでいろんな人が考えているので聞いたことがある人もいるかと思いますが、最もしっくりくるものとしては「庶民には達成の難易度が高すぎる」ことが考えられます。
FIREの種類のところでも述べたように、ファットFIREは億単位の運用元本が必要となってきますし、リーンですら4000万円程度必要となりますから、我々庶民からしたら現実味がありませんよね。
特にリーンFIREに至っては、頑張って4000万円の元本を作ったのにそのあと待っているのは年金に毛が生えた程度の収入での生活ですから、何のために頑張ってきたんだろうとなる人もいるかもしれません。
とにかく仕事が嫌いで、社会との繋がりも要らない。ゲームしたり読書したり散歩したりできれば幸せという人にとってはいいかもしれませんが、結婚して子育てして・・・となるとリーンFIREも現実的ではありません。
大卒男性の生涯年収が約2億6000万円なので、手取りにすると約2億円
これは40年勤めあげてようやく稼げるお金であり、40年で割ると1年当たり520万円。
でも手取り520万円(年収650万円)になるのなんてせいぜい40代半ばから後半にかけてであり、若いころはそんなに稼げません。
一般的には30代でようやく年収500万円台に到達する会社が多いでしょう。
そんな状態の中で、若いころに質素倹約して4000万円とかの投資元本を用意するのは並大抵のことではありませんよね。
特に30代はライフイベントが集中しており、子育て、住宅購入、自動車購入など大金が掛かります。
資産運用の元本として残す金なんてねえよという若者が多いでしょう。
ただでさえ、昨今の物価上昇、増税、社会保険料の引き上げで若者は搾取されているというのに・・・
そんなこんなで、FIREって仕事辞められるとか最高じゃん!と思ったら果てしなく険しい道のりが待ち構えており早々に挫折したといったところでしょうか。
上の図は、SMBCが家計の金融行動に関する世論調査【令和4年】を元に作成したグラフを引用したものです。
家計の金融行動に関する世論調査は金融広報中央委員会という公的機関が実施している世論調査であり、ある程度信憑性のあるデータとなっています。
これによると、30代の保有資産は上の図のようになっており、約80%の世帯が資産1000万円未満となっています。
これを見ただけでも30代でFIREとか夢のまた夢。40代でも無理じゃね?50代になったらFIREじゃなくてただの早期退職じゃね?となっても何ら不思議ではありません。
30代で3000万円以上持っている世帯に至っては3.2%しかいません。希少種です。
FIRE系インフルエンサーなどの情報を見聞きしていると感覚がバグってきますが、あの人たちは超マイノリティなのです。
世間で言うところの普通を順調にこなしているとマイノリティにはなれませんし、その現実にぶち当たると心が折れてしまうのもうなずけます。
私のFIREの達成への原動力
でもお前この前の記事でアッパーマス層に到達したことを誇らしげに書いてたよな?と思った方もいるかもしれません。
それは否定の使用がありません。あれは私の誇りです。
と言うのは置いといて、これだけ厳しいと言われているFIREですが私がFIREにこだわっているのには理由があります。
話が長くなるので興味ない方は最後の方だけ読んでください。
私は元々FIREを志す前は無人島を購入して自給自足生活をしたいと考えていました。
私は釣りやキャンプが大好きであり、また自然から生み出したエネルギーで生活したいという願望があったので、島で釣りして、畑を作って、ソーラーとか風力発電をして楽しく暮らせたらな~とか思いながら仕事をしていました。
そのために就職して(2017年)から貯金を開始し、2020年から投資を始めました。
当時私が購入しようとしていた島は3000万円であり、島の購入はローンが組めない(原則一括購入)だったので、何とかして3000万円貯める必要がありました。
3000万円で島を買ったら、薬剤師のバイトをしつつ、小型船の免許などを取って船を走らせて~なんて妄想しながら過ごしていたのですが・・・
そんなある日転機が訪れました。
詳細は以下のブログに読んでいただきたいですが、中田敦彦のYouTube大学で取り上げられていた「マネーマシンの作り方」という動画を見て雷に打たれたのです。
ここから、島の購入は一旦諦め、資産運用でお金を増やすことに興味が湧いてきました。
それからたくさんのお金系動画を見たり、書籍を読んだりしてインプットを続け、今では偉そうにブログで語っているというわけです。
んで、なんやかんやで気づけば結婚しており、子供も生まれました。
妻には結婚する前からFIREのことを話しており、よくわからないけどあなたがやりたいことなら協力すると言ってくれました。本当に感謝しています。
妻も元々節約家であり、就職後は職場の寮に住んでいたため結婚したときすでに世帯資産が2000万円程ありました。
それから、妻に投資の勉強をしてもらい、先日ようやくアッパーマス層に到達したのです。
投資の勧め方については以下の記事で詳しく述べています。
妻には、FIREしたらやりたいことを思い立ったら話しており、日々どんどん増えていますが、最もやりたいことは妻との日本全国制覇です。
旅行は土日に行くと混んでいたり料金が高かったりといいことが無く、できれば平日に行きたいな~と普段から考えており、FIREすればそれも可能だと思ったのです。
日本全国を回り、各地の美味しいものを食べ、思い出を共有すること。
それが終わったら行ってみたい国を順番に訪れたり、世の中の美食を味わったりして死ぬまでにやりたいことを満足するまでやって幸せな人生だったと言って死ぬこと。
これが私の人生の最終的な目的です。
もちろんFIREしてからも子育てはあるので、そこはしっかりしていきますが、家族旅行も含めていろんなところに行きたいのです。
そしてこれらを実現するために圧倒的に不足しているのが時間です。
お金ももちろん掛かりますが、安い宿に泊まったり、移動手段を工夫すれば旅費は安く済ませることもできます。
ですが、時間だけはどうにもならない。
週5・6日働いている現状では到底実現できないのです。
そしてこの時間を生み出すために絶対条件となるのが早期リタイア(FIREのRE)でした。
まあFEもほぼほぼ必須ですので、FIREそのものが絶対条件と言っても過言ではありません。
私の計画では40歳までにサイドFIREをすることを目標にしています。
なぜなら、いくら時間ができても、歳をとるにつれて体力が衰えて旅行を十分に楽しめない可能性が出てくるからです。
そのためにはとにかく早く正社員から離脱する必要があり、とにかく愚直に資産を増やしていくしかないのです。
この目標を達成するためなら血反吐履きながらでも足掻いてやると思いながら日々生活しています。
私のFIREに対する熱意、少しは伝わったでしょうか?(笑)
あと農業も好きなので自分の畑を設けて野菜を作りたいですね。
達成に向けて重要となるポイント
長々とFIREについて語ってきましたが、達成に向けて重要となるポイントをいくつか紹介します。
まあそりゃそうよと言うものばかりだと思いますが、FIREを目指している方は同志がいたと思って安堵してください。
①徹底的な節約(必須)
もう多くは語りませんが、収入がぶっ飛んでる医師とか経営者を除いて一般庶民がFIREを達成するためには生活水準を徹底的に管理することが必須です。
生活水準が低ければどのFIREであっても難易度は下がりますから、これは絶対条件と言えます。
節約に関する情報は当ブログで紹介していますので是非参考にしていただければと思います。
②資産運用(必須)
これも耳タコだと思うので多くは語りません。
もうね、FIREする時点で投資してないのは普通じゃないのでいいですかね?
まあ1億円を運用なしで毎年200万円ずつ取り崩すと50年持つので、そういうぶっ飛んだ資金がある方は運用必須じゃないかもしれません。(そんな庶民はいないか・・・)
インフレで50年もたないかもしれませんが(笑)
我々労働者は時間を切り売りしてお金を稼いでいる以上、稼げるお金に限界があります。
ならば、同時並行でお金という盟友にも働いてもらい、目標達成に向けて協力してもらう必要があるわけですね。
③目標達成の明確なビジョン(必須)
これは前項でウザいほど述べましたが、FIREした後に何をしたいのかという明確なビジョンはモチベーションを保つうえで必須となります。
巷ではFIRE卒業という言葉も出てきており、これはFIREしたけど暇すぎて正社員に戻ったり、FIRE生活が思っていたものと違ったりと理想と現実のギャップにより後悔したみたいな失敗談として語られています。
ただ仕事やりたくないからFIREしようって考えだと退職した後何すればいいのか分からなくなるし、メンタル的にも良くないと思います。
探してみたら楽しいと思える仕事に出会えるかもしれませんし、必ずしも完全リタイヤではなくサイドFIREを目標にしてみるのが一番現実的なラインだと個人的には思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はFIREブームが収束しつつある理由や私のFIREに対する考えを熱く語らせていただきました。
FIREというのは生き方の一つであり誰にでも当てはまるものではありません。
仕事が好き、社会とのつながりが好き、働くことが生きがいという人もたくさんいると思います。
FIREにこだわりすぎず、自分が満足いく人生にできたらそれで100点満点だと思います。
私は節約ガチ勢ですが、節約もやりすぎると弊害がありますので、ストレスのない範囲で行うことをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。